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Aaliyah: The Princess of R&B / 日本未公開 (2014) (TV) 1299本目

まあ作る前から色々と問題が山積みだったアリーヤの自伝映画。まずアリーヤの遺族が許しておらず難航。「なんでうちのアリーヤがテレビ映画なのよ!」と怒っておられました。その気持ちは十分に分かる。しかもHBOとかショータイムならまだしも、ライフタイムチャンネルってー!!っていう、ご両親のお気持ち分かりますよ。とーぜんです!そしてアリーヤ役に決まったゼンデイヤ・コールマンだけど、それが発表されるやいなや、ミックスであるゼンデイヤアリーヤとは程遠い!とツイッターで批判のお祭り状態。ゼンデイヤ失意の降板。んじゃ、映画辞めます!とライフタイム。しかし数週間後にアレクサンドリア・シップ代役でやっぱりやりまーす!と発表。ファンもゼンデイヤの事があったので、今回は反省したのか沈黙。良かった、一件落着!と思いきや、アリーヤと関係が深いR・ケリーミッシー・エリオットティンバランドの配役が決まると、またもやファンが反発!!で、あっという間に出来上がったようで、TVにて放送!またツイッターでお祭り!コテンパンに酷評。これを書いている時点では、放送後から2日目なのですが、未だツイッターでは#AaliyahMovieがトレンド入りしている。

と言え、TLCの映画『CrazySexyCool: The TLC Story / 日本未公開 (2013)』が前評判からみんな面白くないでしょ!と言われ続けておりましたが、フタを開けてみたら非常に面白い映画で、特に放映前は酷評されていたリル・ママが好演という作品だった。今回もその手の驚きというか、どんでん返しを待っておりましたよ。アリーヤのファンとして、映画ファンとして。

1989年、アリーヤは国民的人気の番組『スター・サーチ』の舞台で歌っていた。若干10歳であった。しかし失敗してしまったようだ。悲しむアリーヤの為に叔父でレコードレーベルを持つバリー(リリク・ベント)は、グラディス・ナイトのコンサートで歌わせるのだった。それから時は経ち、高校のタレントショーで歌うアリーヤアレクサンドリア・シップ)。会場は沸いた。益々、歌手への道を真剣に考えるようになった。バリーに話をしにいき、バリーは前々から頼んでいた自分のクライアントであるR・ケリー(クレ・ベネット)を説得し、アリーヤの歌を聞かせる事に成功した。R・ケリーアリーヤの声に惹かれ、アルバムをプロデュースする事に。レコーディングが進むにしたがって、アリーヤR・ケリーはお互いに惹かれていく。しかしアリーヤは若干15歳だった...

まあアリーヤがどのようにスターダムを駆け上がっていったのか...が前半描かれていて、そこには叔父のバリー、マネージャーの両親、仲のいい兄、そしておばあちゃんとの関係が前半は割りと中心。R・ケリーと恋に落ちた辺りと人気が出て行く所が同じタイミングで、R・ケリーとの別れからのセカンドアルバムでミッシーとティンバの抜擢、アリーヤが割りとR・ケリーとの事を引きずっていたというのが描かれ、そして映画出演、更にはデイモン・ダッシュとの恋、そして事故が描かれている。前半はおばあちゃんとのエピソードも時間を割いて描いていたので、家族との仲が中心に描かれるのかな?と予想。所が、途中からアッサリと家族があんまり出てこない。最後はまた家族で...と思っていたら、デイモン・ダッシュ!え!これ見ちゃうと、デイモン・ダッシュがやたらとカッコ良く見えるというね。今じゃ、ジェイーZに見捨てられ破産しているし。最後はデイモン・ダッシュじゃなくて、そこは家族じゃね?と思ってしまいますね。

でも、アリーヤと言えば、やっぱり歌とダンスな訳でして...そこがしっかりと描かれていれば、ここまで悪くならなかったとは思うんですが、何しろ最初から遺族を怒らせたので、アリーヤの曲が殆ど使えないという... なので劇中でもボビー・ブラウンヴァネッサ・ウィリアムスの曲をカバーするという良く分からない状況。実際そうなのかも知れないけど、アリーヤの偽物が歌うカバー曲って何が楽しいの?と。そこはカットでもいいじゃんっていう。ダンスもね、頑張っていたと思うよ。でも...踊っている時に、お腹がたぷ〜んプルプルとなる時が多々ありまして... あのアリーヤがお腹たぷ〜んとなる事なんて無かったやい!と激怒でしたわ。アリーヤって、みんなから「ベイビーガール」と呼ばれ、R&B界ではとてもとても大切にみんなに可愛がられた印象じゃないですか!それこそこの映画のタイトル「R&B界のプリンセス」でもあった。この女優さんには、そんなアリーヤの印象と魅力を引き出す事は出来ませんでしたね。それが非常に残念だった。自伝映画の醍醐味を味あう事が出来ませんでしたね。例えば『Ray / レイ (2004)』で女性には弱いけれど、それなりの魅力と才能があったレイ・チャールズを蘇らせたジェイミー・フォックスのように... 例えば『Get on Up / ジェームス・ブラウン〜最高の魂(ソウル)を持つ男 (2014)』でハチャメチャで俺様だけど好きになっちゃう魅力たっぷりなジェームス・ブラウンを蘇らせたチャドウィック・ボーズマンのように... 例えば『What's Love Got to Do with It / TINA ティナ (1993)』で物凄く我慢して努力してスターの座を手に入れたカッコいいティナ・ターナーを演じたアンジェラ・バセットのように... っていうのをこの女優さんに求めるのは酷ですかね?まあそれが出来ないなら、作らなきゃ良いんだよ!って事ですよ!!アリーヤの透明感や魅力を引き出せる女優が出てくるまで待てばいい話。というか、レイ・チャールズだってジェームス・ブラウンだってティナ・ターナーだって個性が強いスーパースターなので、あんな風に演じられる人たちは出てこないと思っていた。でも出来たんだよ、最高の形で。

まあこういう映画は悔しさだけが残りますよね...

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(2点/5点満点中:11/15/14:DVDにて鑑賞)