Take A Hard Ride / ワイルドトレイル (1975) 1431本目
前にも書きましたが、週末の夜になるとブラックスプロイテーションが物凄く観たくなる。週末の夜のまったりした感じにブラックスプロイテーションが良く合う。という訳で、ジム・ブラウンかフレッド・ウィリアムソンでしょ!と思い、フレッド・ウィリアムソンでも見るかー!と思ってDVDを入れたら、あれ?なんかデジャヴ。そう『Vigilante / 報復軍団ヴィジランテ・フォース (1983)』。観ていた。あは。という事で思い出したのがこの映画。『Django Unchained / ジャンゴ 繋がれざる者 (2012)』の時に黒人ウェスタンを観まくっていたのだけど、この映画のDVDを持っている筈なのにぜーんぜん見つからない。あれから随分と日が経って諦めた時に、目の前にあるDVDケースを見たらそこに入っていた。灯台下暗し。フレッド・ウィリアムソンどころか、ジム・ブラウンもジム・ケリーまで出ている!!一石二鳥。いや、彼らの場合は「スリー・ザ・ハードウェイ」(参考映画はこちら)!あ、意味違っちゃったよ。
1人の男が教会の壁に寄りかかりハーモニカで哀しいメロディーを奏でていた。教会の鐘が鳴ると、人々が溢れ出てきた。ハーモニカの男が妻や仲間と一緒の1人の男に話しかける。「お前はハリー・ネズビーか?」と。ハーモニカの男は指名手配の紙を持っていた。狼狽する話しかけられた男。「それは遥か昔の事だ」と。男の仲間も「今は真面目に暮らしているんだ」と言うが、ハーモニカの男は引き金を引いた。たった200ドルの為に。ハーモニカの男はキーファー(リー・ヴァン・クリーフ)という名の凄腕賞金稼ぎの男。ネズビーの死体を馬に乗せたキーファーが、放牧の男たちとすれ違う。その時に鋭い目線で目が合ったのが、パイク(ジム・ブラウン)だった。パイクはモーガンという雇い主の元で真面目に働いている黒人の男で、モーガンもパイクの事を信頼していた。そのモーガンが仕事を終え、大金を手にし、パイクと共に妻の待つメキシコ近くの牧場に帰る所であった。しかし、モーガンが心臓発作で亡くなってしまう。その前にモーガンは、大金86000ドルを妻に届けて欲しいと託した。しかし町ではパイクがモーガンの大金を持って逃げていると伝わり、キーファーやその大金を狙う男たちの的となる。町でギャンブル詐欺を働いていたタイリー(フレッド・ウィリアムソン)は、同じ黒人というだけでパイクと間違われ、その噂を耳にする。タイリーもパイクを追うが、パイクの危機一髪を助けた事でパイクと大金を山分けする事で一緒にメキシコまで逃げる事を取り付けるが...
って、ジム・ケリーはどこに出てくるんだよ!って感じですね。真ん中位から出てきます。このジム・ケリー(黒帯ジョーンズ)の役どころが面白くて、ネイティブアメリカ人とのハーフで何者かによって舌を取られて口がきけない役。なので台詞ゼロ!!ひたすら戦う!カンフーで!www 西部劇にカンフー。なにこのハイブリッドな感じ!しかも西部劇なのにジム・ケリーの役はなぜか馬に乗らず、ずっと走っていた。なんか気の毒になる位に!!でもね、そんな不思議なジム・ケリーの役どころも、この映画では良い感じになっている。頼りになるのです。みんなが話している所で、ウサギかな?何かを綺麗にさばいているジム・ケリー。
この映画の主役はジム・ブラウン。寡黙で職人気質な男。物凄く絵になるしハマっている。完全に逆なのがフレッド・ウィリアムソンの役。口数の多い派手な伊達男。両者共にブラックスプロイテーションを牽引した2人のコンビネーションが最高であった!最後のダイナマイトの所とか、んもぉおおおおおおーーーー!とシビレる。かなり相当カッコイイ場面。共演は多いけれど、この時代にあと10作は一緒に作って欲しかった!と思う程。
でね、この映画にはブラックスプロイテーションの名バイプレイヤーの1人チャールズ・マクレガーも出演!やっぱり同じ黒人というだけでパイクに間違われる役。という訳で、この時代は黒人だってだけでみんな一緒にされちゃう。まあ今も変わらないですけどね。こういうちょっとした黒人の悲哀が入っているのも最高でしたね。個性が出ますから。
(4.25点/5点満点中:12/12/15:DVDにて鑑賞)