Middle of Nowhere / 日本未公開 (2012) 1264本目
この映画の監督エヴァ・デュヴァルネイには、かなり期待している。昔はラッパーで、その後に映画の宣伝とかの裏方をして、今は監督!彼女の処女作になる、ドキュメンタリー『This Is the Life / 日本未公開 (2008)』からキレキレ!彼女がラップしていた頃のLAでのアンダーグランドな場所だった「グッドライフ・カフェ」を紹介する作品。彼女がそこに居ただけに、面白い作品だった。物凄くマニアックだけどね。その後にやはりラップのドキュメンタリー『My Mic Sounds Nice: The Truth About Women in Hip Hop / 日本未公開 (2010)』も撮ってたね。彼女らしく、女性ラッパーを追うドキュメンタリー。そしてドラマに挑んだ次の作品『I Will Follow / 日本未公開 (2011)』も最高だった!!私は2011年度の「Best of Soul」の監督賞と女優賞は、この作品から選んだ!(だからなんだ!)映画秘宝さんのベスト10でも4位にした作品なのだ!本当に美しい作品で、その映像美も圧巻なんだけど、女性なら好きになっちゃう内容なんだよね。タイトルがU2の曲からっていうのもいい!エヴァ・デュヴァルネイは、女性が好きになる監督だね。女性受けという言葉は男性受けしない言葉だけど、女性受けする監督。女なら、分かるぅーーー!!!ってなるのが、彼女の作品。そのデュヴァルネイが挑んだ今回の作品は...
ルビー(エマヤツィ・コリネアルディ)とデレク(オマリ・ハードウィック)は刑務所内の面会場所に居た。ハグや手を繋ぐ事は出来るが、それだけ。他は許されない。彼らの間にはテーブルがある。会話中、ずっと手を繋いでいる2人。デレクはルビーの夫だった。デレクは8年間の禁固刑を言い渡されていたのだ。ルビーは医学生だったが、デレクが逮捕された事で、今は生活費や費用などを稼ぐために看護婦をしている。面接の日には毎回バスで、何もない辺鄙な所にある刑務所に向かう。そして車を買うお金もないので、仕事にもバスを利用していた。刑期が半分くらい終わった4年ちょっとたった頃、デレクの仮釈放が認められるかもしれないと、ヒアリングが開かれる事が分かった。同じ頃、ルビーはそのローカルのバスの運転手ブライアン(デビット・オイェロウォ)に話しかけられた。以前にバス内でバスのルートについて聞いた事があったのだ。でもルビーはブライアンに「この指輪が見えないの?」と一蹴。費用を何とか捻出して、ヒアリングに挑んだルビーとデレクだったが、そのヒアリングでデレクが隠していた事を知ってしまうルビー...
いや、もう最高!「I Will Follow」も最高だけど、更に良くなってるぅー!まず、撮影技師が私がだーーい好きなブラッドフォード・ヤング!彼については、こちらをどうぞ。その彼がまたまたヤッテくれてますねー。美しいシーンが多い。ヤングは光を自然の光に任せる所があって、それがいいんだよね。作品をやたらとカッコ良くするのが、ヤングなんだー。もう最後のキスシーンとか、私が今までで見たキスシーンの中で一番美しいわ!
そしてLA出身のエヴァ・デュヴァルネイ監督は、この作品を書く為にサウスセントラルやコンプトンとかで同じような境遇の女性達に話を聞いて回ったそう。この映画のルビーの家は実際にコンプトンにある家を使って、インテリアとかもそのままで撮影したらしい。って、デュヴァルネイはツイッターでいっーーぱい秘話を明かしてくれているので、彼女のツイートは面白いです。この作品で彼女はサンダンス映画祭の監督賞を受賞!おめでとう!!そして、彼女が選んだ、ゴアペレとかミシェル・ンデゲオチェロとかの曲が、この映画のもう一つのキャラクターになってますね。
この映画、まだDVDにもなってなくて、公開も映画祭とかのみ。観たいのにー!と思っていたら、なぜかBETで放送!思いっきりCMばかりだったけどね。でも最近、本当にBETはそういう不遇な映画を放送してくれている。ありがたい。
コンプトンとサウスセントラルやイングルウッドの住人が、ギャングばかりで銃弾が飛び交う所...なんて勘違いしている人たちに観て貰いたいね!女性受けする監督だからとか、コンプトンだからとか、そういう固定観念を取り払ってみんなに欲しい、この映画で。
という事で、エヴァ・デュヴァルネイ監督次回作は、キング牧師のアラバマ州セルマでの戦いを描く待望の『Selma / グローリー/明日への行進 (2014)』!プロデューサーのブラッド・ピットやオプラ・ウィンフリーなんていう大物に囲まれて撮りました(撮影は既に終了)!昔ーーーに、パム・グリアが自伝本を発売した事、パム嬢がツイッターで「私の自伝を撮るなら監督は誰かしら?」という質問をしていたので、私は「エヴァ・デュヴァルネイ!」と返信してみた。パム嬢は??だったかもしれないが、デュヴァルネイ本人がそれに反応して「嬉しい!光栄だわ!」と書いてくれたくれたあの頃が懐かしいとすら思える程の活躍ぶりです!これからもっともっと楽しみ!
(5点満点:8/2/14:TV放映にて鑑賞)