A Band Called Death / 日本未公開 (2013) 1147本目
2013年度版「Searching for Sugar Man / シュガーマン 奇跡に愛された男 (2012) 」と言われている作品。「シュガーマン」ほどは泣かなかったけれど、涙は出たし、それ以上に感動しました!
観る前からポスターにもなっている写真に魅了され、何だか分からないけど「超カッコいい!」と思い、早く観たいなーと思っておりました。念願叶う。予想以上にカッコいい!ミシガン州デトロイトで生まれ育ったのがハックニーの4人兄弟。そのうちの3人がパンクバンド「デス」のメンバー。長男だけはなぜか音楽の道に進まなかった。次男のデイビットがギター、3男のデニスがドラム、4男のボビーがベースとボーカル。彼等のお父さんがテレビで見ていたビートルズを観て音楽の道に進む事にした。という時点で凄くないですか?だって彼等はモータウンのお膝元で生まれ育ち、モータウンの絶頂期に音楽を始めているんですよ。モータウンに流れそうなのに、彼等はザ・フーやアリス・クーパーに憧れた。それでもすぐにパンクバンド「デス」を始めた訳じゃなくて、最初は迷いもあったらしくファンクバンド「ロック・ファイヤー・ファンク・エクスプレス」というバンドを組んでいた。当人達も「ファンクとパンクで迷っていた」と映画の中で認めていた。でも次男坊のデイビットがロックの道を突き進む。そしてその頃に彼等のお父さんを事故で亡くしてしまう。それは特にデイビットが精神的な道に進む事になってしまう。その頃にバンド名を「デス(死)」に変更し、よりパンク音楽へと向かっていく。音楽始めたなら、レコーディングしないと!と、3人は地元の電話帳を開き、ダーツが当たった「グルーヴィル」というレコード会社にデモを持って行く。プロデューサーの一人が気に入って、さっそくレコーディング。数曲を作る。アリスタのあの有名なクライブ・デイビス(ホイットニー・ヒューストンなどでも有名)も彼等の音楽を気に入り、当時としては破格の契約金を用意。ただし「デス」というバンド名を変えるという条件だった。デニスもボビーも変えてもいいかな?とは思っていたけれど、デイビッドが「デス」のバンド名やコンセプトを絶対に曲げたくないという事で、断った。それによりグルーヴィルも撤退。デイビットはグルーヴィルに「マスター(テープ)は返せ!」と返してもらう。傷心の3人はバケーションも兼ねてヴァージニア州のバーリントンという所に向かう。あんなに頑なに変えなかったバンド名も変える。でも何か上手くいかない。デニスとボビーはデトロイトには戻らなかった。でもデイビットだけは戻ってしまう。仕方なくデニスとボビーはレゲエバンドを組む。そして2000年、デニスは結婚。デイビットはその結婚式に出席する為にバーリントンに向かう、「デス」のマスターを持って。ボビーに「絶対にいつか世界がデスの音楽を探し求めにくるから」と、マスターを保存しておく事を言い残す。8年後の2008年...
後はもう説明しませーん!家族愛ですよ。兄弟愛だけじゃないんですよ。だからこの映画に感動しました!いい音楽は必ず歌い繋がれる。このバンドの場合は、運命的にそれが巡ってくる!音楽の素晴らしさとかっこ良さを非常ーーーーに味あわせて頂きました。この家族がとにかくカッコいい。時代の先の先をいってしまっていたんですね。ロックはとかく白人音楽とか言われているけど、元はチャック・ベリーにリトル・リチャードやボ・ディドリーな訳だし、彼等を聴いていたビートルズやザ・フーを今度は黒人が影響されて1周回ってまた新しい音楽を作り出したのが面白いですね。というか、それが音楽の凄いところで素晴らしい所です!
デイビットはパンク界のサン・ラーぽい。自然児。バンドの名前とかコンセプトとか、サン・ラー先生に被る所が多いですわ。
「シュガーマン」の時にも思ったけれど、白人のオタクなコレクター達も凄いね。
(5点満点:8/26/13:DVDにて鑑賞)