Blood In, Blood Out / ブラッド・イン ブラッド・アウト (1993)
Cast >> Damian Chapa (Miklo), Jesse Borrego (Cruz), Benjamin Bratt (Paco), Enrique Castillo (Montana), Victor Rivers (Magic Mike), Delroy Lindo (Bonafide), Ving Rhames (Ivan), Danny Trejo (Geronimo) ...
Director >> Taylor Hackford
Writer >> Jimmy Santiago Baca, Jeremy Iacone, Floyd Mutrux, Ross Thomas
Producer >> Taylor Hackford, Jerry Gershwin
Genre >> Crime
総合ポイント >> 5/5点満点
Contents >> 5 Performance >> 5 Direct >> 5 Music >> 5
La Familia
保護観察中のミクロ(ダミアン・チャパ)は、ラスベガスから故郷ロサンジェルスのイーストLAに戻ってきた。後6日で18歳となり保護観察も終わる事になっていた。ミクロは暴力的な白人の父とは疎遠で、ラティーノの母親や母方の従兄弟と親交を持ち、見た目はブルーアイの白人だが、ラティーノとしてのアイディンティを大事にし、従兄弟パコ(ベンジャミン・ブラット)がリーダーのラティーノギャング集団ヴァトスに所属した。もう一人の従兄弟クルス(ジェス・ボレッゴ)は絵の才能があり、学校の奨学金も手にしたが、ヴァトスとライバルギャングのイザコザで暴行を受けて負傷する。パコとミクロのヴァトスは仕返しをし、ライバルのリーダーを殺してしまう。逃げるが捕まり、保護観察中だったミクロだけは、悪名高いサン・クェンティン刑務所に送られ、そこでもやはりラティーノギャングのラ・オンダに所属する為に、あるミッションが言い渡される...
刑務所内にある人種間の緊張感を描いた秀作。主人公を白人とのミックスにしたのも面白い。ラティーノからも、仲間はずれにはされるが、自分のアイディンティを主張し、たくましく生きていく。主人公はラティーノの環境で自分を主張しようとする余り、道を誤る。しかしその状況を愚痴る事はない。逆にラティーノであるパコは、その反発で道を正し、そのラティーノのコミュニティの環境まで正そうとしていく物語が巧すぎる。そして3人の若者たちのそれぞれの生き方も面白い。
ラティーノギャングのリーダーがはっきりと「白人こそがシステムだ」と主張する。実際に刑務所内のシステムは白人に支配されている。年1回の豚肉の日に、黒人は脂だけを与えられ、ラティーノに至っては何も至急されない。黒人と団結し、そのシステムを打開していくのだと。しかしミクロはそれに反発する。血を流し結束した「家族」と、本当に血がつながった「家族」の間で、ミクロは驚きの結論を出す。
ここで描かれた「家族」の姿に、考えざるおうえない。「家族」とは何なのか?結束とは何なのか?
(7/13/12:DVDにて鑑賞)