Take a Giant Step / 青い課外受業 (1959)
Cast >> Johnny Nash (Spencer 'Spence' Scott), Estelle Hemsley (Grandma 'Gram' Martin), Ruby Dee (Christine the maid), Frederick O'Neal (Lem 'Daddy' Scott), Ellen Holly (Carol, the Girl in the Bar), Paulene Myers (Violet), Beah Richards (May Scott), Royce Wallace (Rose Thompson), Frances Foster (Poppy) ...
Director >> Philip Leacock
Writer >> Louis S. Peterson (play and screenplay), Julius J. Epstein
Producer >> Julius J. Epstein, Burt Lancaster
総合ポイント >> 4.5/5点満点
Contents >> 5 Performance >> 5 Direct >> 4 Music >> 4
Trying to prove "Different"
スペンス(ジョニー・ナッシュ)は両親(フレデリック・オニール&ボー・リチャーズ)のお陰で白人だけが住む郊外に暮らし、高校も白人だけが通う高校に通っていた。しかし社会科の授業で、先生と南北戦争の見解について意見が違い、学校を飛び出してきた。スペンスは親には話さなかったが、白人だけの環境に疑問を感じ、ストレスを感じていたのだった。唯一理解を示してくれたのが、そこに住むことを反対していた母方のお婆ちゃん(エステル・ヘムズリー)だけだった。スペンスは家を飛び出し、黒人街へと行くが...
邦題は怪しいエロチックな雰囲気がするが、素晴らしいドラマである。このドラマを書いたのが、当時はまだまだ珍しかった黒人の劇作家だ。少年が成長していくアンバランスさの中に、黒人独特の2重の意識が見られる。彼は大人になっていく過程で、この2重の意識に苦しむ。黒人側に行けば行ったで、そこでの過酷な現実を知る。黒人でも白人でもない自分に悩み苦しむ。この映画の特記せねばならない点として、あの「A Raisin in the Sun」よりも先で、劇作が出来た頃はキング牧師の登場よりも前だという事である。キング牧師が進めた融合を、この主人公は一足先に実践し、悩み苦しんでいたのだ。
タイトル通りで黒人にとっては巨大な一歩な作品である。その中でお婆ちゃんの厳しさの中にある優しさと、ルビー・ディ演じる女性が語った「黒人で良かったじゃない。おばあちゃんに会えたのだから」という力強い台詞が忘れられない。
(1/4/12:DVDにて鑑賞)