この映画のタグラインは「A Love Story」。一つのラブストーリー。70年代のラブストーリーは盲目で決して後悔しない事だった。そして今、現代。
冒頭を見る限り、ライアン・ゴズリング演じるディーンは小さな女の子フランキーのパパである(本当は色々あって映画後半で明らかになる)。しかし、物語は今と過去が交差していき、徐々に色々な事が分かってくる。しかし最初から分かっているのは、どうやら妻だと思われる女性シンディは、ディーンに愛想をつかしているという事。かなり後悔している。けど、そのシンディだって、恋が始まったばかりの頃は盲目だった。そこは時代と共に変わる事はない。裕福なオリバーと一般人のジェニファーは身分の差を乗り越え、後悔しない愛の物語を描いた。このディーンとシンディは逆転している。シンディは大学に通い、資格を得て看護婦の仕事をしているのに対して、ディーンは高校を卒業せずに引越し屋やペンキ塗りをしている。そんな夫に嫌気を感じてしまっているのだ。家事も仕事もシンディがやる。父親としては合格点だが、男としてはどうも尊敬出来なくなってきている。しかも少しクドクて、嫉妬深い。家事も仕事も育児もしているシンディには、ディーンは面倒な男である。そんな男と結婚してしまえば、そりゃ後悔である。でも、恋が始まった日は楽しかった。なんだか魅力的だったのである。しかも別の男と別れたばかりのシンディにとっては、尚更ディーンは魅力的に見えた。しかも、シンディはその直後に大変な問題に直面する。その時に傍に居てくれたディーンはより一層に頼れる男に見えたのだ。しかも最近はハゲて来ている。洋服もダサい。
そう恋なんて一瞬の気の迷い。長いスパンで将来を見れる男女はどこにも存在しない。と同時に、盲目で後悔しない「間」は、幸せだという事。
ちなみにタイトルの「ブルー」には憂鬱なイメージもありますが、「ブルーコメディ」と言えば下ネタの事でもあります。ここでの「ブルー」はそういう面もありますね。
ミシェル・ウィリアムスが凄い。若い過去の部分は本当に可愛いし魅力的。でも今の現在の部分は、そこらに居るオバサンにしか見えない。
にしても、ディーンみたいな男と結婚しなくて本当に良かったと思いましたです。
恋だの愛だのって面倒!
(4.25点/5点満点中:12/10/11にDVDにて鑑賞)