香港で制作されたロン・ヴァン・クリフの「ブラック・ドラゴン」3部作の1つ。って、あたかもロン・ヴァン・クリフ知ってる体で書いてしまいましたが、ジム・ケリーが誰もが知る主流(そうでもないか?)なら、ロン・ヴァン・クリフはマニアが知る傍流。うちの夫は無茶苦茶カンフーオタクなのに、なぜかこのロン・ヴァンを知らなかった!この映画のラストを見せたのに、やっぱり知らないと言っていた。ショック。という事で、黒人の間でも相当マニアじゃないと知らないと思う。うちの夫の名誉の為に書いておくけど、本当に夫はマーシャルアーツ映画が大好き。もちろん私よりもそれについては詳しい。多分、ロン・ヴァンは香港でメインに活躍していたのもあって、逆に日本での方が知名度があるんじゃないかな?このロン・ヴァン・クリフは日本にも関わっていて、ヴェトナム戦争時に海兵隊に所属し、その時に沖縄で沖縄空手を習っている。ロン・ヴァンの「ブラック・ドラゴン」は、ブルース・リーが与えたもの。その「ブラック・ドラゴン」と、空手大会にて4回の世界チャンピオンになった(キャリアとしては5回のチャンピオン)事が大々的に広告で使われて香港のB級で活躍したのです。
ちなみに前作は「Black Dragon / 日本未公開 (1974)」。その時にも書いたように名前が使われたくせに、殆ど出演していない。でも今回はしっかり出演。ちゃんと誰が何と言おうと主役よ!でも突然この世を去った伝説のブルース・リーの死を搾取するという後味も趣味も悪い作品。ロン・ヴァンは、アメリカにて中国人のお金持ちに「ブルース・リーの死を調査して欲しい」と大金詰まれて、香港に飛ぶのです。まあ彼の主演ぶりを見て、なんで前作では主役じゃなかったのか分かった気がする。マーシャルアーツは文句なしに素晴らしいが、演技が下手!台詞棒読みだもん。仕方ないさ。まあ演技する気もなかったのかも?ロン・ヴァンの役名もロン・ヴァン・クリフ。ロン・ヴァン・クリフが本人役で出ている感じですかね?内容も前作の方が面白かった。ちなみに前作の主役ジェイソン・パイ・ピョウもこの映画に登場!彼の方が演技が上手い。ジェイソン・パイ・ピョウ、気になるわー。でもロン・ヴァンのラストシーンはいいですね。音で表すなら、ボキボキです。周りのキャラクターも面白いのが居ましたね。ヘビ女とか。後、ロン・ヴァンのベトナム時代の友人として出てくる白人のチャーリー役のチャールズ・ボネットも良かった。
やっぱりロン・ヴァンは演技が出来なかったせいか、その後は裏方として活躍。「The Last Dragon / ラスト・ドラゴン (1985)」の主役タイマックを指導したのもロン・ヴァンなのです。でもロン・ヴァン自身は自分の映画の中ではこの映画が一番のお気に入りらしい。
(3.5点/5点満点中:DVDにて鑑賞)