The Landlord / 真夜中の青春 (1970)
Cast >> Beau Bridges (Elgar Winthrop Julius Enders), Lee Grant (Joyce Enders), Diana Sands (Francine MarieJohnson), Pearl Bailey (Marge, Tenant), Walter Brooke (William Enders Sr.), Louis Gossett Jr. (Copee Johnson), Marki Bey (Lanie), Mel Stewart (Professor Duboise) ...
Director >> Hal Ashby
Writer >> Kristin Hunter (novel), Bill Gunn
Producer >> Norman Jewison
Genre >> Drama
総合ポイント >> 4.75/5点満点
Contents >> 5 Performance >> 5 Direct >> 4 Music >> 5
Everybody wants a home of his own
エルガー(ボー・ブリッジス)は29歳でロングアイランドにある両親の豪邸に住んでいた。何かをしようとブルックリンにあるおんぼろアパートを買い、大家となった。黒人ばかりが住むアパートで、マージ(パール・ベイリー)にはいきなり銃で脅かされ、コーピー(ルイス・ゴセット・ジュニア)と仲間には追いかけられたりしたが、次第に心を打解けていく。そんな時に美しいレイニー(マーキー・ベイ)に出会い恋に落ちるが、その一方でアパートの住人でコーピーの彼女であるフランシーン(ダイアナ・サンズ)とも関係をもってしまう...
ポスト60年代の皮肉的な芸術作品である。何と言っても出演者とスタッフが素晴らしい。パール・ベイリーにルイス・ゴセット・ジュニアにダイアナ・サンズ、マーキー・ベイ、リー・グラントにハル・アシュビー監督にノーマン・ジュイソンが制作でビル・ガンが脚本。それだけでなんとも言えない。彼等それぞれの歴史がこの映画にも詰まっている。映画はハル・アッシュビーの監督デビュー作になり、そのデビュー作らしい前衛的で挑戦的な映画作り。70年代らしい幻想的なシーンも多い。60年代後半から70年代に掛けて、黒人の人々のアンセムともなった「私は黒人、そして私は美しい」を効果的に台詞に使っているのは、さすが70年代から活躍する数少ない黒人脚本家ビル・ガンにしか出来ない。マーキー・ベイの可憐なチャーミングさとダイアナ・サンズの逞しくも脆い女性像が美しい。そして若く悩むコーピーを演じたルイス・ゴセット・ジュニアと、年を重ねた賢明なプロフェッサーを演じたメル・スチュアートが公民権運動以降の黒人男性の苦悩を描いている。
誰もが雨風しのぐ自分だけの家が欲しい。公民権運動でマーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師を失った後、黒人の人々は苦悩をしのぐ何かを欲しがっていた。そんな時代の作品。
(7/19/11:DVDにて鑑賞)