Madea's Big Happy Family / 日本未公開 (2011) 869本目
最近ね、こういうストレートな黒人映画は、私が見れる劇場には中々やってこないんですよ。昔は割と早い時もあったんですけどねー。確実にアメリカの劇場公開から2ヶ月は遅れるね。それもあって、早くココ出たいわー!嗚呼... 嗚呼、人間になりたーい。
これ見た後に気がついたんだけど、タイラー・ペリーの舞台→映画化になった作品は大抵最初に舞台の方のDVDを先に見ているんだけど、これはすっかり忘れてた!帰ってから、後で舞台の方を見ました。舞台はこの次に。
ここの所、タイラー・ペリーのルーツであるクリスチャンを感じさせない作品が続いていたせいか、今回の作品は「久々にゴスペル映画に戻ったな」とすぐに思いました。でもいつもタイラー・ペリーが伝えている「Let it go(忘れる努力)」とか「Forgive(過ちを許せ)」とかそういうメッセージではなかった。タイラー・ペリーが自分の愛する母親の死を経てのメッセージが沢山詰まっている。それは私みたいな非クリスチャンには怖い程でしたけどね。「クリスチャンじゃなくて可哀想」とか(あら?これは舞台の台詞だったかも??)、「イエス様が私の死を選んだなら、それは私の道なので覚悟が出来てる」とか。
またこの映画公開時には、スパイク・リーとの対戦があったので、それも触れずにはこの作品は語れない。確かにこの映画でもスパイク・リーが言うような「buffoonery(悪ふざけ)」な部分は沢山ある。タイラー・ペリーが演じるマディアおばさんがファーストフード店を破壊するシーンとか、ティヤナ・テイラー演じるサブリナが連呼する「バイローーーーーーーーーーーン」とかモウリー・ショーとかは悪ふざけだ。でも私のすぐ後ろに座っていた、年の離れた姉と弟は別のシーンでも大笑いしていた。まだ小さな弟(多分10歳にもなってない)が分からなかったり、聞き取れなかった部分を姉が丁寧に教えてあげながら、弟は大笑いしていた。そしてマディアが子供のしつけについて語った時、劇場は大きな拍手とここは教会か?という位「That's right!(その通り)」というオバサン達の大きな声のリスポンスが聞こえた。なんていうか、もちろんスパイク・リーが作る知性を刺激する高貴な笑いを好きな黒人も多いと思う(スパイクもたまに下ネタあるけどね)。でもその一方で、自分達のごくごく身近な「家族」に焦点を当てたタイラー・ペリーの笑いも好きな人は多いと思う。黒人家族はドラマが多い(それは実感する)。そして確実に「面白オジサン」が一人は居る(いや、日本の家族にもなぜか面白オジサンはいると思う。うちには居る)。タイラー・ペリーの笑いは割りと身近で分かりやすいんじゃないかと思う。だから観客層も広い。スパイク・リーとは喧嘩しないで、上手い事2人がバランス良く映画を撮り続けていって欲しいと、両者のファンである私は思う。どっちが正しいじゃないと思う。どっちも必要。観客の反応を見てるとそう感じるよ。
映画よりも舞台の方がおススメかな。でも映画のロレッタ・ディバインは最高!ロレッタ・ディバインは何を演じてもいいね。そのキャラクターが魅力的になる。ティヤナ・テイラー(クリス・ブラウンは親友です!)も実は好きなんだ。若かったら、あんな感じに生まれたかった。後はコメディアンのロドニー・ペリーがいい味出してた。ちょっと前のアンソニー・アンダーソン的。ロドニー・ペリーは今はモニークのBETのトークショーで、サイドマン的な役割で登場している。モニークとは昔から仲が良いらしい。
(4点/5点満点中:劇場にて鑑賞)