Ruby Bridges / 日本未公開 (1998) (TV) 855本目
大好きなマルチニック出身のユーザン・パルシーの作品。ディズニーと共に作ったTV映画。ニューオリンズが舞台の公民権運動時代の話。丁度NAACPが学校での人種融合を進めていた時の頃、ニューオリンズの学校での人種融合を始めようと、NAACPに選ばれたのがこの映画のタイトルとなっているルビー・ブリッジス。彼女は成績が優秀だった。お母さんはNAACPから話を聞き、是非協力したいと話すがお父さんは渋々。でも可愛い娘が言うのなら...と父も協力する。お母さんには「Waiting to Exhale / ため息つかせて (1995)」のレイラ・ロション、お父さんには「Soul Food / ソウル・フード (1997)」のマイケル・ビーチ。マイケル・ビーチと言えば、嫌な男役が多い。浮気する男だったり、主人公を陥れたり... その印象が強いのだけど、この映画では献身的ないいお父さんを演じてます。びっくり。
このルビー・ブリッジスはノーマン・ロックウェルの絵「The Problem We All Live With(我々皆の生活での問題)」のモデル。白人の学校に通うも、がっちりした連邦保安官のおじさん達と毎日登校。学校に入るまでにも、反対している親などから罵声や物を投げつけられる。先生達も完全に無視。北部のボストンからたまたま来たヘンリー先生にルビーを押し付けて、一対一の授業。結局教室を隔離されていた。学校の生徒の多くは学校をボイコット。しかしヘンリー先生は献身的にルビーに教えていくが、ルビーは凄まじい環境の中で少しずつ変化を見せる。そこに登場するのが、たまたま外からルビーが学校に入っていくのを見ていた軍属の精神科医。彼は特に子供の精神科医として有名だった。無償でルビーを見て行きたいと申し出るのです。それでも彼は飽くまでも医師対患者としての付き合いにするつもりだったが、その医師も段々と公民権運動についての関心を深めていくという物語。
このルビー・ブリッジスはまた56歳。去年が丁度この出来事があった50周年であった。そうか、まだたった50年前の事だったんだと思うと胸が熱くなる。夫の話を聞くと、夫のお母さんとかも人種隔離された学校だったらしいし、夫の頃だって結局何となく人種が別れていたらしい。この映画はニューオリンズだけど、この頃は軍の町でもあったのかな??たまたまルビーの家の近くがそうだったのかな??関わっている医師も軍人だったし、ヘンリー先生の旦那さんが海軍とか言っていた気がする。調べてみたら近くは無いが遠くはない。多分あの辺に住居があったのかなー。
映画は分かりやすく作られている。でもユーザン・パルシーらしい絵の美しさとかは影を潜めているし、何より最後の30分はとーーーっても駆け足。あれ?急に??という感じ。脚本が悪かったか、急に予算が無くなったのか...
(3.75点/5点満点中:DVDにて鑑賞)