これは良い意味で期待を裏切られた!全米の批評家達の評価もものすごく低い。てっきり「Skyline / スカイライン-征服- (2010)」の二の舞いだと思ってました。ところがどっこい... 私達の身に起きた大震災。日本の自衛隊、そして「トモダチ作戦」と付けられた任務を遂行するアメリカ軍の人の活躍がTVやインターネットにて伝えられている。この映画に出てくる軍人達が、本物のヒーロー達とダブってくるのです。確かにこの映画のプロットはイマイチ。未確認飛行物体が世界各地を襲い、残された最後の砦はロサンジェルスのみ。そこで警察署に隠れている一般市民を救う為に任務を負かされたのが、近くのキャンプペンダルトンに配属されている海兵隊たち。もうすぐ結婚を控えている者(この状況で日本に来た漢ニーヨが演じている)、兄弟を違う戦争で無くした男、そしてもう少しで軍の引退を控えた男...等が集結し、第5海兵連隊第2大隊が出来た。彼等がロサンジェルスのサンタモニカについた時には、もう酷い状況。何とか一般市民が避難している警察署に辿りつくが...
最初に書いたとおり、アメリカでは酷評。あのロジャー・エバートは「この映画が好きな人はバカ」とまで書いている。うるせー!バカでもいい。この映画は好きだ。スカイラインなんかと違う!!エバートみたいな人とは違って、大きな物を背負った男や女が居て、命がけで守ろうとするのだ。私は「トモダチ作戦」に参加する事になる漢どもと一緒の劇場で見た。彼等はこの映画を見た後、みんな拍手して喜んでいた。「Avatar / アバター (2009)」では悪役となり、今時プロパガンダで軍人がヒーローと描かれる事なんて無くなった。この映画はストレートに軍人をヒーローと描いている。うちの親父さんは、アーロン・エッカートが演じた軍人とひじょーにかぶる。もう一番の年上の親父さんだし、上司には年下も居る。経験だけを積んで、同じように膝に爆弾を抱え老体に鞭打って頑張っている。私は彼のそんな姿を12年も見ているので、あのエッカートが演じた軍人を見た時には涙が出そうでしたね。きっと私と一緒にあの劇場で拍手していた漢たちも同じ気持ちだろう。
後この映画見て思ったのは、ウィル・スミスが半隠居気味な中、代わりに世界を救うのはミシェル・ロドリゲス嬢ですな。彼女だけ海兵隊じゃなくて空軍。そして一昔は面白黒人がトークンブラックとして映画に参加してましたが、今の時代は途中で急にヒーローとなるヒスパニック。お涙頂戴要員で必ず出てくる。スカイラインでもそうだった。まあ、黒人同様に生き残れないんですけど... その中でミシェル・ロドリゲス嬢は毎回映画で活躍しているのは面白い。
確かにあんまり軍に興味ない人は、面白くない筈。描き方もわざとらしいし、内容も薄い。でもね、これは嘘ぽいかもしれないけど、軍人の士気って意外とこんな感じなのよ。
(3.75点/5点満点中:劇場にて鑑賞)