今年のオスカー候補ナンバー1!だよね、多分。
なぜそう囁かれているのか、観れば分かる。今年のタイム誌の年の人にも選ばれた主役のマーク・ザッカーバーグをジェシー・アイゼンバーグがハーバード大学に通う今風の難しい男を実にリアルに等身大に演じている。この人上手いねー。マーク・ザッカーバーグ本人はこの映画を完全否定しているようだけど、多分実際にはこんな感じだろうなーとは思う。もちろん本人に会った事ないから本当の事はわからないし、全く知らない人だけど、何となくこんな印象はある。でも正直、フェイスブックにはアカウントを持っていない私には、この映画の熱狂的な好評ぶりには、いささか引いた目で見てしまう部分もある。確かに優れた作品ではある。私はフェイスブックの楽しさは知らないし、その制作者であるマーク・ザッカーバーグにも興味はない。なのに2時間その話を聞かされ見せられても飽きない。ハーバード大学という誰でも知っている名門に通う秀才が、人付き合いや社会的適応にどこか欠けていて、そんな男が世界を制するような一大巨頭を作り上げてしまう面白さ、そしてアイビーリーグの人達のドロドロとした知能戦に人情が絡んでくるのは面白い。でも人間ドラマとして全く魅力を感じる事が出来なかった。「こうなりたい!」と思う事はまず無いし、これを反面教師にして...とも思えず、複雑な気分で劇場を後にした。いちよう私の大好物の青春映画ではあるのだけど、青春映画につき物の魅力的なキャラクターが全く出て来ない。でも優れた作品という複雑さ。いい作品なのは本当によく分かる。でも好きか嫌いか?と聞かれれば... どちらでもなく... 好きではない。かな。
(4.25点/5点満点中:劇場にてダンキンドーナッツのボストンクリームを食べながら鑑賞)