The Experiment / エクスペリメント (2010) 788本目
観た映画が10本位溜まっているので、どんどんイキます...
フォレスト・ウィッテカーとエイドリアン・ブロディというオスカー主演男優賞を受賞している2人のガチンコ演技対決!でも作りが安っぽいので、点数は低くなってしまいましたが、演技と物語自体はかなり見ごたえある。フォレスト・ウィッテカーに至ってはあの強烈にいい人を演じていた「A Rage in Harlem / レイジ・イン・ハーレム (1991)」と、世界を恐怖に陥れた極悪人の人食いアミンを演じた「The Last King of Scotland / ラストキング・オブ・スコットランド (2006)」が見事に1人に同居してしまっているのです!その変貌のスイッチが、起ってしまったのです... 凄い演技でした。元々はお母さんに精神的な虐待を受けている男性で、40代にして未だに母親と同居。アメリカでは考えられないですね。そんな男がどんどんと人食いアミンになっていくのです。これは、フォレスト・ウィッテカーにしか出来ない役でしたね。ナイス、キャスティング!
この映画は元々ドイツ映画「es[エス]」をリメイクした作品。スタンフォード大学で行われた監獄実験を映画化している。高収入と新聞の広告で集められた24人(実際の実験は21人)が、囚人と看守役に分かれて行われた実験。役を与える事で、役のような人物に変貌していくという事を実験で証明していく。2週間怪我もなく脱落者も現れず無事に実験が終了した時点で言われていた高額の収入が与えられる事になっていたので、お互い必死。これは男性だったからあのような結果になったかもしれない?とも思いました。女性だったら、お互い上手く口を合わせて2週間出来たんじゃないかと思う。彼等は思惑通り、いやそれ以上の実験材料となってしまった。監獄が舞台という事で、アーリアン・ブラザーフッドが居たり、レイプがあったり... ちょっとした監獄映画ともなってましたね。
でも演出自体がどうも安っぽく、実験の監獄とは言えイマイチ。エイドリアン・ブロディ演じた男性と恋人になる女性が余りにも唐突過ぎて、しかも駆け足し過ぎる。なのであまり感情がこもらない。でもエイドリアン・ブロディの演技はとても素晴らしい。素晴らしいといえば、今までデビッド・バーナーの演技にムカついてきてばかりでしたが、今回の役はいい。いいキャラクターに恵まれた。看守唯一の良心。
それにしても何となく最近のフォレスト・ウィッテカーは浮かばれない。こんなにいい演技しているのに、アメリカでは劇場公開無しなんてね。でもなぜか日本では劇場公開中!昨日見た「Repo Men / レポゼッション・メン (2010)」も公開はされているけれど、評判はイマイチだし。何か彼の名演技が浮かばれるいい作品に出してあげて〜!
(3.5点/5点満点中:DVDにて鑑賞)