Cast >> Rapulana Seiphemo (Lucky Kunene), Ronnie Nyakale (Zakes Mbolelo), Jeffrey Zekele (Nazareth), Robert Hobbs (Detective Swart), Shelley Meskin (Leah Freidlander), Motlatsi Mahloko (Young Zakes), Jafta Mamabolo (Young Kunene) ...
Director >> Ralph Ziman
Writer >> Ralph Ziman
Producer >> Ralph Ziman, Tendeka Matatu
Genre >> Action
Country >> South Africa
総合ポイント >> 4.75/5点満点
Contents >> 4 Performance >> 5 Direct >> 5 Music >> 5
Welcome to Jerusalema where 90's black American movies live
1994年ラッキー・クネネ(ジャフタ・ママボロ)はソウェトの町で親友のゼイクス(モトラトシ・マーコロ)と共に学校に通っていた。ラッキーは成績も良くヨハネスブルクの大学に志願していた。大学からの合格の通知が届くが、奨学金は出ない事を知ったラッキーは、ゼイクスの兄でロシアで共産党と戦闘を学んできたナザレス(ジェフリー・ジーコレ)からの指導で車を盗むようになった。お金は入るが考えなおして辞めたが、ナザレスから最後と言われた仕事で警察に追われ、ゼイクスと共に故郷を離れた。10年後、ラッキー(ラプラナ・セイフェモ)とゼイクス(ロニー・ンヤカレ)はヨハネスブルクでタクシーを運転していたが...
またもや「ツォツィ」か...と見る前に思った。南アフリカが2006年のアカデミー賞の外国語部門を初めて受賞したあの「ツォツィ」はアフリカの今とアフリカらしい面白いストーリーがあり面白かった。この作品もツォツィ...アフリカのギャングの話である。正直、二番煎じな映画だと思っていた。この監督は南アフリカで生まれ育った白人だが、今はイギリスやLAに住んでミュージックビデオを作っている人である。今らしい最先端の映像技術に、90年代のアメリカのブラックムービーを流行らせた「ニュー・ジャック・シティ」を思わせる内容が、私を完全に釘付けにした。この映画は実在する人物の物語を映画にした訳ではなくて、実際の事を映画にしている。監督が久々に南アフリカに帰ってきた時に友人から聞いた話しを元に調べてラッキー・クネネを作り上げた。その人物像がアンチヒーローで面白い。またそのラッキー・クネネを演じたラプラナ・セイフェモも90年代のアメリカのブラックムービーのアンチヒーローそのものだった。そして冒頭のラッキーの高校時代はセンチメンタルでもあり、男の子が成長する様の物語だったりと実に上手くて飽きない。
私達が愛した90年代のアメリカのブラックムービーが、遠く離れた南アフリカの地でかなり成熟した大人に成長しているのに驚かされる。単なる真似やその上のオマージュという訳でもなく、そこには断固とした彼等らしさも存在し、見事に今の南アフリカを表現し、これが彼等なんだと感じさせてくれる秀作。
(10/23/10:DVDにて鑑賞)