この映画、謎。いやそんなに謎でもないんだけど、香港とフィリピンで制作されたカンフー映画。タイトルも「ブラック・ドラゴン」とかついてるし、ポスターを見るとどうも黒人のロン・ヴァン・クリフが主役。でも全然違うんだな。「Black Belt Jones / 黒帯ドラゴン (1974)」が公開された(1月にアメリカにて公開)され、この作品は11月に公開。という訳で黒人武術のブームに火がつきそうだったので(実際には線香花火のように一瞬)、勝手にロン・ヴァン・クリフが主役のように公開されただけの事。Allmovie.comのサイトのプロットもあたかもロン・ヴァン・クリフが主役かのように書かれてるし。主役は香港の白いヒョウと書いて(白彪)ジェイソン・パイ・ピョウ。彼がいいんだわ。田舎の純朴な青年タイリューを演じております。仲良くなるのが、フィリピンでスリをやってるルエル・ヴァーナル演じるシャマー。田舎の畑仕事をしていたタイリューだったけど、フィリピンに行ってた男がお金持ちになって帰ってきたのを見て、俺も一攫千金の夢を見てフィリピン行くかー!と...でもフィリピンまで行くお金も無い。その帰ってきた男にお金を貰ってフィリピンに行くけど、すぐにスリの被害に遭う。スリをしたのがシャマー。カンフー対決。とまあ香港映画では良くありそうなパターンです。でも...ね、全然ロン・ヴァン・クリフ出てこないでしょ?ま、下のこの映画の予告編をまずは見て。
ね?主役みたいでしょ?というか、主役でしょ?でもね、このロン・ヴァン・クリフが出てるのは、この予告の映像で全てじゃないかな?という位、凄く少ない。なぜか知らないが、白人の男や他の男達と組んで、アヘンを密輸している男達を懲らしめる。いちようヒーローなんだね。そしてこのタイトル「ブラック・ドラゴン」は彼がブルース・リーから頂いた愛称でもある。切れ味が素晴らしい。蹴り足も高い位置だしね。また体も恵まれてますよねー。凄い細い訳じゃなくて、骨太、でもしっかり余分な脂肪は落としていてがっちりしてる。決まるよねー。ちなみに知ってましたか?ロン・ヴァン・クリフとあのジミ・ヘンドリックスが軍人時代からの友人だった事を... なんでもジミヘンも松濤館流のカラテを習ってたらしい。2人は陸軍と海兵隊と違う所に所属してましたが、訓練で一緒になったらしい。その当時は2人で結構遊んでいたらしい。ロン・ヴァン・クリフはヴェトナム戦争にも行ってるので、沖縄の基地で沖縄手を習ってたみたいですね。
あ、ちなみに私が見たDVDはイギリス版だったのか、「Super Dragon」というタイトルもそのまま残ってました。映像は悪いし、音と台詞は途中聞こえない所もありました。状態は極めて最悪。
でも内容はオーソドックスなカンフー映画ではありましたが、それだけに全然普通に見られる面白い映画ではありました。だってタイリュー、無茶苦茶いい奴だもん!割りと好きな感じの映画かも。
(3.75点/5点満点中:DVDにて鑑賞)