予想に反して面白い映画だった。見る前まではね、「どうせいつもの」とか「またまた...」なんて思ってました。というのも最近ブラックムービー界はゴスペル映画が流行りで、そのブームに乗ったどうしようもないつまらない映画も多いのは確か。映画はどうも同じようなのが多産されると、どうしようもない作品も多産される。これまたさ、主役がデスティニーズ・チャイルドから解雇された(脱退と言い張るかもしれないけど)ラトーヤ・ラケットじゃないですか... 地味だよね、どうも。しかも相手役がR&B歌手のタンク。これまた地味だよね... 今だったらトレイ・ソングス(私の好き嫌いは置いておいて)なんじゃないの!!でもそのトレイ・ソングスはカメオ出演しております。でも断言出来るね。あのラトーヤの地味さがこの映画では作品の魅力を引き出す事となった。これがビヨンセだったら...((((;゚Д゚)))ブルブル 駄作になっただろうね。
そのラトーヤが演じたのが牧師の娘で、父の教会のクワイアシンガー。お母さんは早くに亡くなっていて、その牧師のパパと2人で生活。パパもかなり厳しいけれど、教会にやってくるお婆様方も厳しく目を光らせられている。21歳なのに夜遊びなんて出来なくて当たり前、Boris Kodjoe (ボリス・コドジョー)(台詞に彼の名前が出てくる)の映画すら見に行く事が出来ない!そんな時にたまたまやってくるのが、ゴスペル劇団。都市から南部のバイブルベルトまで隈なく周ってる。その劇団の主役スターがタンクなのです。友達と上手くセッティングして、ラトーヤは夜抜け出してクラブに行くと、そこにタンクがいたのです。初めての恋だからのめり込んでしまいます。でも... そこですよ。色々あって面白い。なんであんな男に...と思うような男にのめり込んでしまったり、間違いを起こしたり... そこでラトーヤの地味なドン臭さが生かされてると思いました。褒めてるように聞こえないかもしれないけど、褒めてるのよ。この映画で私が好きなキャラクターが、エッセンス・アトキンスが演じたピーチーズ。観客はピーチーズと同じように見守ってしまうんですよ、ラトーヤを。しかしエッセンス・アトキンスは主人公の友達を演じさせると上手い!絶妙!!あの早歩きでカメラを通り過ぎて、一言言うシーンは最高。
最後のオチとかも面白い。割りと笑えるシーンもあり、そんなに窮屈さを感じません。でもラトーヤの最後の決める歌のシーンはイマイチだったかな??しかし、タミー・タウンゼントが老けた。あんな感じの役をやるとはね。時代は流れていきますね... 女優の時代の流れも速いっす。
(4.5点/5点満点中:DVDにて鑑賞)