SOUL * BLACK MOVIE * ブラックムービー

ブラックムービー、ブラックスプロイテーションなどについて


*10/15/2018に「ブラックムービー ガイド」本が発売になりました!よろしくお願いします。(10/15/18)

*『サンクスギビング』のパンフレットにコラムを寄稿。(12/29/23)
*『コカイン・ベア』のプレスシート&コメント&パンフレットに寄稿。 (09/27/23)
*ブルース&ソウル・レコーズ No.173 ティナ・ターナー特集にて、映画『TINA ティナ』について寄稿。 (08/25/23)
*『インスペクション ここで生きる』へのコメントを寄稿。(8/01/23)
*ミュージック・マガジン1月号にて、『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』のレビューを寄稿。(12/2/22)
*12月2日放送bayfm「MUSIC GARAGE:ROOM101」にて『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』についてトーク。(12/2/22)
*10月7日より上映『バビロン』にコメントを寄稿。(10/6/22)
*奈緒さん&風間俊介さん出演の舞台『恭しき娼婦』のパンフレットに寄稿。(6/4/22)
*TOCANA配給『KKKをぶっ飛ばせ!』のパンフレットに寄稿。(4/22/22)
*スターチャンネルEX『スモール・アックス』オフィシャルサイトに解説を寄稿。(3/29/22)
*映画秘宝 5月号にて、連載(終)&最後のサイテー映画2022を寄稿。(3/21/22)
*「This is Charles Burnett チャールズ・バーネット セレクション vol.1」にコメントを寄稿。(3/19/22)
*キネマ旬報 3月上旬号の『ドリームプラン』特集にて、ウィル・スミスについてのコラムを寄稿。(2/19/22)
*映画秘宝 4月号にて、連載&オールタイムベストテン映画を寄稿。(2/21/22)
*映画秘宝 3月号にて、ベスト10に参加。(1/21/22)
過去記事

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Spinning Into Butter / 日本未公開 (2007) 627本目

主演はサラ・ジェシカ・パーカーです。でもブラックムービーなんですよ。黒人への偏見等がテーマですから。サラ・ジェシカ・パーカーが制作も手がけております。今や「セックス・アンド・ザ・シティ」で都会の洗練されたイメージがありますが...80年代にデビューした割りには、何となくその若手の波に乗り遅れた感じがしてました。恋人だったロバート・ダウニー・ジュニアは、その逆で上手くその波を避けたという印象なんですが、サラ・ジェシカ・パーカーはその波に乗れなかったという印象なんですよね。なんで「セックス...」の成功が意外でビックリしましたね。キム・キャットラルは「ポリアカ」とか「マネキン」とかでもセクシーなイメージがあったから納得なんだけど。ま、サラ・ジェシカ・パーカーの事は置いておいて...

大学内で起きる差別や偏見についての映画です。というと、どうしてもやっぱりジョン・シングルトンの「Higher Learning / ハイヤー・ラーニング (1995)」を触れずにはいられないですよね。この映画の舞台はバーモントというニューイングランド地方にある架空の大学が舞台。バーモントという場所にもこの映画では意味を持たせています。アメリカでニューイングランドというと、アメリカの中でも古いので「伝統的」なイメージがありますよね。ハーバード大学もそうですし。アイビーリーグは全てニューイングランドではないですが、北部の狭い範囲に存在してますものね。なので、「ハイヤーラーニング」とはちょっと設定は違います。そのバーモントの大学は小さいですが、名門で様々な人種の人々が居ますが、多くはありません。その中で、黒人学生...その彼は白人の学生にも愛されるそんなに目立たない黒人学生の部屋に「リトル・ブラック・サンボ」と書かれたメモを貼り付けられる事件が起きます。そのメモの中には首を吊らされている黒人の絵まで。そこで登場するのが、学生部長のサラ・ジェシカ・パーカーです。その黒人学生の心情に理解を示しながら問題を解決しようとしますが、学校側はあまり大きな騒ぎにしたくないために衝突していきます。しかし、そのサラ・ジェシカ・パーカー(名前長いわ)演じる役の女性にも様々な過去があって... という感じです。話は一転二転していきます。悪くは無いのですが、何となく問題を解決していくというパワーの無い映画でしたね。結局妥協点ばかりを見せられていく感じがたまらなく辛かった。最後も普通でしたね。分かるんですけど、納得出来ませんでした。

サラ・ジェシカ・パーカー(どこで切っていいか分からないからフルネーム)に近づいていくのが、やっぱり過去がある男で演じたのがマイケルティ・ウィリアムソン。「フォレスト・ガンプ」ではエビを語っていたババ役で、「Soul of the Game / 栄光のスタジアム (1996)」でのジョシュ・ギブソンも素晴らしかった、あの...です。サラ・ジェシカ・パーカー演じる女性が最後の方でついに感情を(突然)吐き出すんです。その時が興味深かったですね。変な髪形した黒人(つまりはクーリオか!)とか、もこもこしたダウンジャケットの男とか... ま、偏見で色々と優先順位をつけているんですわ。偏見とは簡単に生まれてしまうものですものね。今じゃ、サーファーでエド・ハーディ着てレイブのイベント好きで刺青してる人は...みたいのと同じですね。別にサーファで刺青していてエドハーディ着てレイブ聞いている人、みんながみんなじゃないですからね。それも核心をついているようで、何となく核心から逃れた感じも受けました。

この映画の元は舞台劇でした。映画もカンヌ映画祭で色々と営業したみたいですが、評判はあまり良くなく...制作段階から金銭面で色々と問題があったみたいですね。何となく中途半端で残念な映画でした。この中でよかったのがニューヨークリカン(ニューヨーク生まれのプエルトリコ系という意味らしい)を演じたVictor Rasukという俳優かな。あと日本人学生も出てきますが、その彼女がどっちにつくかも面白かったですね。黒人が作り手だった「ハイヤー・ラーニング」では、アジア人として扱われてました。白人が作ったこの作品ではマジョリティかマイノリティのどちらかなんですわよね。

感想やあらすじはこちら

(3点/5点満点中:DVDにて鑑賞)