見た順だとしたらこの映画じゃないんだけど、この映画を先に。日本語で書かれたレビューまだ見た事ないし。
死語なのは分かっているけれど、この映画を一言で表すなら「ごきげん」な映画です。面白いのは分かっていたけれど、思った以上に下ネタが多いです。バーニー・マックが主演の1人なんだもん、下ネタなのは当たり前ですわよね。夫も見たかったようで、なら家族で見に行くか?と思っていたんだけど、夫は子供は連れていけないでしょ?という事。そうか?と思っていたんだけど、連れて行かなくて本当に良かった。その位、下ネタが満載です。
何度も書いたように、これがバーニー・マックとアイザック・ヘイズの最後の映画(実際にはまだ何作か撮っているのがあるんですけど)。2人の餞になる作品です。上でも書いた通り、バーニー・マック色が強い映画です。下ネタで笑わせておいて、最後には暖かくなれるなんて、正にバーニー・マックそのものでしょう。アイザック・ヘイズもアイザック・ヘイズ本人として出ていて、ブラックモーゼスとして中々見せてくれてます。
「Undercover Brother / アンダーカバー・ブラザー (2002)」のマルコム・D・リーが監督なので、彼らしいパロディぽいシーンが多くて笑ってしまいます。主役になるマーカス・フック&ザ・リアル・ディールの歴史を振り返るオープニングの映像が滅茶苦茶面白いです。デビューした60年代はモータウン系の普通のコーラスグループなんですが、70年代はジョージ・クリントンまんまだったり、80年になったら....くくく。ジョージ・クリントンのはオフィシャルサイトでも見れるので、ネタばれしましたが、80年代は内緒。是非自分の目で確認してください。大笑いですよ。オフィシャルサイトの「The Real Deal」のページも是非!もちろんフィクションなのですが、彼等の歴史が分かります。R&Bの歴史を思うと、中々上手く面白い出来になってます。感想はこちらのリンクからどうぞ。
そしてシャロン・リールが演じた役の彼氏達が自宅でスタジオ作ってます。DJとかミキシングする人がデブなので、まんま「Hustle & Flow / ハッスル&フロウ (2005)」ぽくて笑ってしまいます。こういうちょっとした遊び心がマルコム・D・リーらしいなーと思いました。最近多い音楽系の映画でありながら、ロードムービーの要素もあり、パロディでもあり、普通のコメディでもあり... それらを中々上手くブレンドしている感じ。
そしてもう1人の主役サミュエル・L・ジャクソン。彼も彼らしい台詞が満載です。怪しい髪型や髭での役作りがいい。「Black Snake Moan / ブラック・スネーク・モーン (2007)」でも思いましたが、歌は意外といける口。歌手になれる程の上手さじゃないけれどね。中々です。ジャクソンとバーニー・マックの曲「Boogie Ain't Nothing」がいい。これのお陰かな?この映画が「ごきげん」なのは。サントラ買おうかと思う位。釘を刺しておきますが、上手い訳じゃない。
エンディングクレジットでは、バーニー・マックの追悼映像。そしてアイザック・ヘイズの曲が追悼として流れています。これは正直、泣けました... エンディングクレジット見るアメリカ人観客は滅多にいませんが、みんな席が立てないという感じでした。
感想はこちら。
(4.5点/5点満点中:劇場にて鑑賞)