ブラック・パンサー党傘下のブラック・ゲリラ・ファミリーを設立し、アンジェラ・デイビスとパーソナルな仲だったジョージ・ジャクソンの物語。18歳でガソリンスタンドで70ドルを強盗した罪で捕まり刑務所行き。刑務所内で殺人事件の容疑もかけられて、亡くなるまで18歳からずっと刑務所暮らし。その中でブラックパンサー党を知り、そして「クリップス」のトゥッキー・ウィリアムスもその生涯を終えたサンクエンティン刑務所にて自らブラック・ゲリラ・ファミリーを1966年に設立。まだティーンだった弟も影響されたり、アンジェラ・デイビスのカリスマ的な部分も手伝って、この組織は今現在も存在している。そのジョージ・ジャクソンが刑務所で書き綴った本を出版するまでと彼の生涯をドラマ化した作品。
60年代と70年代の音楽がドラマの生々しさを伝えているようでした。実際の史実とその音楽の発売にはちょっとだけズレがあったりするけれど、それでも映画がドラマを伝えている感じがしました。その生々しさが多分観客を物語に引き込ませている感じがします。また実際の写真を使っているのも、もう一つの理由かもしれません。
でも主役のジョージ・ジャクソンを演じたのがゲイリー・ドォーダン。ジョージ・ジャクソンは確かにゲイリー・ドォーダンに似た男前だけど、何か実際にあっただろうジョージ・ジャクソンのカリスマ性やスマートな部分みたいのは感じなかったかな?物語の魅力はバッチリだったけれど、主人公の魅力はあんまり感じられなかった。男前だったけど。
当時の活動家達がどのように抑圧されていたのかも良く分かります。ジョージ・ジャクソンは刑務所内での活動をしていたので、当局も余計に抑圧しやすかったんだと思います。彼等の手の内に納まっていたんですね。本当だったら模範囚にでもなって、外で活動した方が良かったんだと思うのですが、でもジョージ・ジャクソン自身が刑務所内で目覚めたので刑務所内でどうしても活動したかったのもあるかもしれないですね。
ジョージ・ジャクソンは音楽や映画等でも何度か題材になっているので知る人も多いと思います。残念ながらジョージ・ジャクソンの生々しい言葉を感じる事も無かった。台詞にパワーを感じなかった。でも一つだけ笑ってしまったのが、ブラック・パンサーのメンバーが「クー・クラックス・クラン」の事をわざと「クー・クラックス・クラウン」と言った部分。彼等の怒りから生まれたユーモアを感じます。
調べていたら日本でも今WOWOWで放送中らしいので、興味を持った方はご覧になっては??
http://www.wowow.co.jp/schedule/ghtml/020506001V1.html
感想はこちら。
(4点/5点満点中:DVDにて鑑賞)