Black August : Hip-Hop Project
自伝映画にもなっているジョージ・ジャクソンの事は以前にその自伝映画の事を書いた事もあるし、それ以前から知っている人も数多いと思う。刑務所内でブラック・パンサー党に傾倒し、ブラック・ゲリラ・ファミリーを設立。アンジェラ・デイビスとは恋人のような関係だった。しかし刑務所看守の殺人の罪で起訴され裁判が行われる3日前に、サンクエンティン刑務所内で反乱を起こし逃亡しようとした所で、看守の銃により29歳のジャクソンは亡くなっている。その時に看守の3人も亡くなっており、6人の囚人が告発されている。そして刑務所内でジョージ・ジャクソンのしてきた事や革命について勉強する為、左腕に黒いアームバンドをするようになった。ジョージ・ジャクソンが亡くなった8月は、一番最初の奴隷船がジェームスタウンについた月であり、地下鉄道が始まった月でもあり、キング牧師がワシントン行進でスピーチをした月でもあり、ワッツ暴動が起きた月でもあった。その8月は「ブラック・オーガスト」と言われるようになった。黒いアームバンドをする者達は、8月中はテレビやラジオを聴かず、日の出から日没まで食事と飲食を控え、アルコールや薬を避け、大声をあげる行為もやめて、刑務所内での食堂の手伝いを辞め、政治の勉強やフィジカルトレーニングを通じて仲間との結束を固めていこうとして始まった。このブラック・オーガストの運動は最初は刑務所内だけの事だったが、刑務所から出た者達が外にも広げるようになった。今ではマルコムX・グラスルーツ運動がそれを広めている。そしてそれはいつしか、ヒップホップを通じて広めていこうという事で、1998年からヒップホップのライブを開始。人気のアーティストであるモス・デフ、エリカ・バドゥ、コモン、ザ・ルーツ、ギル・スコット・ヘロン、タリブ・クエリ、デイブ・シャペル等が参加したライブは大成功を収めた。今年も8月に13回目となるライブを成功させている。そこでは政治的教育の為のワークショップも開催されている。アメリカだけでなく、キューバや南アフリカにブラジルでのイベントも成功させている。
そのイベントの様子がドキュメンタリーとなっているのが「Black August : Hip-Hop Project / 日本未公開 (2010)。
このドキュメンタリーもやはり8月にリンカーンセンターにてプレミア公開されている。