Cast >> Garry Cadenat (Jose), Darling Legitimus (M'Man Tine), Douta Seck (Medouze), Joby Bernabe (Monsieur Saint-Louis), Francisco Charles (Le Gereur) ...
Director >> Euzhan Palcy
Writer >> Euzhan Palcy, Joseph Zobel (novel)
Country >> France
総合ポイント >> 5/5点満点
Contents >> 5 Performance >> 5 Direct >> 5 Music >> 5
Dedicated to the world's Black Shack Alleys
1930年の夏、ジョゼ(ギャリー・カドナー)はマルチニックの広大なサトウキビ畑が広がる小さな村にチーヌお婆ちゃん(ダーリン・レジティム)と2人で暮らしていた。母親は幼い時に亡くなった。チーヌお婆ちゃんは朝から晩までサトウキビ畑で働いていて、その間ジョゼは近所の子供達と遊んでいた。いつかはお婆ちゃんを楽させたいと思っていた。ジョゼは近所に住むメドゥーズ(ドゥタ・セック)の話を聞く事が大好きだった...
少年が大人になる過程の映画は星の数ほどあるが、この映画程牧歌的で詩的で知的な映画は見当たらないと感じる。11歳のジョゼは、お婆ちゃんを愛し敬いながらも、時にはその存在を煙たく感じる事もある年頃。そのアンバランスの妙をも描写している。またカリブ海のフランス領マルチニックという国、1930年代という時代、奴隷時代、人種差別、その中で起きている皮膚の色の濃さ・薄さによる差別...貧困、等が見事に観客に理解される形で凝縮されている。でも説教臭くはない。観客はジョゼという少年に一喜一憂してしまい、最後には必ずや前向きな印象を残してくれている作品だ。
映画の始まりに「世界の黒人街の者達に捧げる」と出てくる。ジョゼがメドゥーズのアフリカの話に夢中になる。メドゥーズは彼等にとっていつか戻る場所がアフリカだと言う。我々は黒人ではないが、どことなく昔の日本の裏通りにも通じる人と人との結びをも感じさせ、万人に人間の優しさを運んでくれる作品でもある。
(8/15/08:DVDにて鑑賞)