先日もお伝えしたジェシー・ジャクソンの口滑らした映像流出。まだ続きがあって、オバマに対して「Nワード」を使ったらしく、FOXニュースにいやらしくもまたまた映像を流出されてしまった。
ジェシー・ジャクソンと言えば、ラッパー等に「Nワード」と使うな！！の運動を進めていた張本人。最初にオバマに対して「黒人を見下している」と言った際に、ラッパーのNasは「ジェシー・ジャクソンは（オバマの成功を）嫉妬しているだけ。ジャクソンはそろそろ隠居するべきでは？」等と言われていた。奇しくもNasは、アルバムのタイトル「ニガー」を巡って、ジェシー・ジャクソンと一番揉めていた人物でもあり、皮肉的な結果となり、今回はもっと後味が悪い結果となっている。
今回の事は、ブラックコミュニティもジェシー・ジャクソンへの気持ちも薄らいでいる様子にとれる。
所で、ここでも何回も登場している朝のオバサン達の井戸端会議「The View」という番組で、このジェシー・ジャクソンの「Nワード」発言を取り上げていた。
とりあえず見て欲しい。
http://youtube.com/watch?v=TOf4jgmdY3Y
Elisabeth Hasselbeck Cries After Sparring With Whoopi Over N-Word (VIDEO) | HuffPost
ウーピー・ゴールドバーグとエリザベス・ハッセルバッグが意見を交換している。
ハッセルバッグが「私たちは同じ世界に生きている」と言うと、ゴールドバーグは「ちょっと待って、悪いけれど同じ世界になんか生きていない」と口論が始まった。そこでゴールドバーグが「私の母は生まれたこのアメリカという国で投票も出来なかったのよ！」と反論。そうするとハッセルバッグが平常心を失い「ポップカルチャーではなんでそんなに辛い思い出を呼びこすように使っているのか分からない」と泣いた。
エリザベス・ハッセルバッグは上の映像でもご覧いただけるように、「私は完璧な世界を生きている」という感じの人。ナイーブなんですね。彼女にとっては人種差別はもう昔の話なんでしょうね。白人の私たちが使えないのに、黒人の間ではなぜ良しとされているのか分からないと嘆いています。更にそれを（白人の）子供達にどう説明すればいいの？...と。
白人...もちろん日本人の私も含めて、「Nワード（日本語だったら黒○ぼ）」を使う事が出来ないというのは、それは我々がそうさせたんだと思う。ずっと憎しみや差別心からその言葉を言い続けていたんだから。それに耐えてきた黒人は、その言葉を憎んだ。と共に、我々が黒人で何が悪いというプライドを生み、自尊心を確認する言葉として黒人の間には戻ってきた。そして黒人の間に存在する悪い人たちを自分達から「Nワード」で呼び、「お前はそんな奴じゃないだろう」というメッセージを送ってきた。リチャード・プライヤーやクリス・ロックがそのように使ってきたと思う。また友達を「Nワード」で呼ぶ事によって、仲間意識を確認していたんだと思う。
でもハッセルバッグのような人の住む世界では、そこまで理解されていないんでしょうね。彼女の世界では、「Nワード」＝「Nワード」。黒人の世界では「自尊心」+「愛」＝「Nワード」だったり、「プライド」＝「Nワード」だったり、「Nワード」＝「Nワード」だったり... 色々な形があるって事だと思うんです。
でも黒人の間だって「Nワード」がいつもOKかと言えば、そうじゃない。私の夫は同じ黒人に言われた「Nワード」が今でも苦い思い出となっている。その発した「Nワード」は、発した人からしてみたら仲間意識のつもりで使った「Nワード」だったけれど...
私の住む世界では、突然この世から「Nワード」が消えてなくなるというのは、まだまだ無いと思う。でも私は使わないし、私の周りでも聞きたくない。だからと言ってすべてを規制して欲しいとも思わない。この言葉が突如自然と世界から消えた時...その時こそ。
