The Girl in Room 20 / 日本未公開 (1946)
Cast >> Geraldine Brock (Daisy Mae Walker), Spencer Williams (Joe Phillips), July Jones(Dunbar Hamilton), E. Celese Allen (Beaumont Moody) ...
Director >> Spencer Williams
総合ポイント >> 4.75/5点満点
Contents >> 5 Performance >> 4 Direct >> 5 Music >> 5
American Dreams
デイジー(ジェラルディン・ブロック)は、小さなテキサスの町に住み、優しいボーイフレンドのダンバー(ジュライ・ジョーンズ)や家族も居て幸せだったが、歌の才能に恵まれ、声楽の先生にニューヨークに行って歌手になるように勧められた。デイジーはニューヨークに向かい、タクシーで運転手のジョー(スペンサー・ウィリアムス)に出会い、彼の案内で下宿に行くと、バンドのメンバーに出会った。美しいデイジーに皆親切だったが、中にはそうでもない者もいて...
分かりやすいドラマです。でもこの時代はやはり南部から北部に移った人達が落ち着いてきたとは言え、それがテーマになる映画も多いようだ。この物語のメインもそれがテーマ。でも他とは違うラスト。北部に行って成功してハッピーエンドともまた違う。中々興味深い。でも他とは違うラストだが、アメリカンドリームを成功させるという意味ではこの映画も一緒。よく北部に行った者が南部に戻ってくるのは恥だとか言う人も居る。でも、この場合はその意味とは全然違うハッピーエンドだ。
また、北部に行った人々が北部の誘惑や悪い人々に騙されるというパターンの映画も多いが、これは一味違う。タクシー運転手のジョーやバンドのメンバーはデイジーにとっても親切。でも面白いのが、ジョーは自分の娘に似たデイジーに「南部から来たいい娘」のままで都会かぶれしてもらいたくないと願っている。ニューヨークにあるかもしれない下町情緒があるように思える。
やはりこの時代にも人々はアメリカンドリームを夢見ていた。でもスペンサー・ウィリアムスは他とは違う夢だったとも思う。彼は南部を愛し続けていた。彼は故郷を思い、しかしチャンスを与えてくれた新しい都市と人々にも尊敬の念を忘れていないように思う。ルイジアナに生まれ、ニューヨークで亡くなったウィリアムスの姿を主人公の女性に見える気がした。
(6/19/08:DVDにて鑑賞)