Son of Ingagi / 日本未公開 (1940) 20本目
下の「The Girl in Room 20」と同じくスペンサー・ウィリアムスの作品ですと言っても、監督は別の人。でも脚本をスペンサー・ウィリアムスが書いてます。この作品がオールトーキー映画にして、初のオールブラックキャストによるホラー映画じゃないか?と言われています。とは言え、今のホラー映画みたいにただ怖いだけスリリングなだけ...とはちょっと違います。怖い映画が大の苦手な私でも余裕で見られる程怖くないです。でも怖い物の対象が哀愁あります。昔のホラーってそういう感じでしたよね?モンスター達にも過去があって、何かを背負って生きている(生きている??)ような。最後はスペンサー・ウィリアムスの映画らしくハッピーエンドで終わるのですが、なぜか切ない。買ったDVDのジャケットの写真(右上の写真参照)を見て、怪しい映画だなって思ってたんです。ハッキリ言えば危ないと。でも期待?を見事に裏切る、中々面白い作品でした。確かにホラー的にもSci-Fi的にもチョロイのは分かっているんですが、そのドラマの展開とか面白かった。
ちなみにIMDBに寄ると、この映画は1931年の「Ingagi/インガギ」という映画をベースに作られたらしい。この作品は、後の「キング・コング(1933)」を作るきっかけになったそう。という事は、キングコングの人気をこの映画もあやかっていたのかもしれないです。でも「キング・コング」じゃなくて、オリジナルの方を使ったのは面白いかもしれないですね。よりアフリカぽさや巨大なキングコングじゃなくって、人間的な大きさのゴリラに拘ったのかも??このタイトルでも使われているIngagiとはアフリカの言葉でゴリラを意味するらしいが、実際にはアフリカの言葉でそんな言葉はないらしい。
今回のヒロインが可愛かった。デイジー・バフォードという女優さんで、「風と共に去りぬ」や「ショーボート」等の大作にも出演しているけれど、クレジット無しの小さな役だった様子。クレジットされたのが、この映画のみ。でも25作にも出演していたらしい。
感想はこちら。
(4.75点/5点満点中:DVDにて鑑賞)