Leadbelly / 日本未公開 (1976) 18本目
もの凄くはまってしまいました。レゴブロックが綺麗にはまった時のように私とこの映画ははまってしまったのです。いや、はまるのは最初から分かってました。たまにあるんですよね。映画の概要を聞いて「たまらん!」となる時が。短大生の時に予告で見かけた「モー・マネー」、そして「Killer of Sheep」等等... 私の映画の第六感がぴーーーんと呼びかけてくる事がある。これが正にそれでした。大好きなロジャー・E・モーズリーとポール・ベンジャミンが主役で登場... そして監督はあのゴードン・パークス、そして題材があのレッドベリー。これは見なくてはならないのよーー!と1人で勝手に思っていました。所が中々見る機会もなく... メディア発売もされず、テレビ放映もなく... でも神は私に味方してくれましたよ。
何かいい映画を観た後って夢心地なんですよね。それこそ、大人の喜びを体でも感じてしまうというか... ボーっとなってフワフワした気持ちになります。気持ち良くなってしまうものです。この映画も最初から最後まで痺れっ放し。ロジャー・E・モーズリーのレッドベリーが完璧。ポール・ベンジャミンの父親ぷりが、これまた哀愁あって泣ける。この方が父親をやると、必ず泣けてきちゃいます。ブラインド・レモン・ジェファーソンは、「CB4」でクリス・ロックの父を演じていたアート・エバンスが演じています。実際のブラインド・レモンに比べると小柄ですが、これまた良かった。レッドベリーとジェファーソンが車を買って運転手を決めるシーンが最高に面白いです。こういう映画に笑いの部分があるだけで、その映画の人間性を感じて好きになっちゃうんです。レッドベリーの歌の部分はモーズリーではなく、プロのハイ・タイド・ハリスが歌っております。でもブラインド・レモンの部分は、何とアート・エバンスがそのまま歌ってるらしいです。そういう才能もあったなんて。ちなみにブラインド・レモンの曲のタイトルが、サミュエル・L・ジャクソンの「Black Snake Moan」になったんですよね。
俳優たちの演技も最高だし、ゴードン・パークスの采配も最高。色も綺麗でとっても見やすい。見せる部分と観客の想像を働かせる部分とあって面白いです。台詞があんまり無いんですが、ラストシーンでレッドベリーが語る所が最高です。ミュージシャンらしく詩人になってます。「歌は蝶のように自由に羽ばたくもの」なんて最高。実際にレッドベリーが言った言葉なのでしょうか??
本当だったら選挙カーにでも乗って、この映画がどんなに面白いか伝えたい所なのですが、そんな事したら近所迷惑なので、ここで叫んでおきます。
「マジ、面白いってー!!」
やっぱりミュージシャンの自伝映画に当たりは多いです。その中でも3本の指に入る作品ですね。
感想はこちら。
(もちろん5点満点ミッドナイトスペシャルっす)