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Hell Up in Harlem / ハーレム街の首領 (1973) 146本目

「カッコつけて、一度死んだ筈のに生き返った男がいるんですよ」
「なーに、やっちまったな!」
と、クールポコに餅をつかれてしまいそうな、フレッド・ウィリアムソンの名作「ブラック・シーザー」の続編「ハーレム街の首領」が今回の映画です。「やっちまった」感の強い映画です。

いきなり結論を書いてしまいましたが、そういう事なんです。前作のニューヨークの町並みを見事に取り入れたティファニーの店前から駈けずり周るラストシーンから、また今回も始まります。前作はかなり好きです。とくにあの孤独なラストが... 所が、そのラストを見事に覆す内容の今作品。正直、その続編を作る為にくっ付けた内容の情けなさに悲しくなる。だって前作と同じ年の製作。全米では前作が2月公開で、この作品が12月に公開されている。駆け足で作りました的な部分がやはり出ているんだと思う。その内容がイマイチなんですよね。今回はディアンジェロという人が敵。でも何かイマイチなんですよね。ディアンジェロが直接する悪さが、ヘレンの乳揉む位だから折角のラストシーンでの「お前はニガーに首を釣られる最初の白人野郎だ!」っていう台詞が響いてこない。前作みたいな差別主義者が悪者みたいにハッキリしてなかったからだと思う。あれ?急に差別??って感じで、観客にとっても「あんな男、やっちまいな!」的に思えませんでしたわ。

また前作では情けなかった父さんを演じていたジュリアス・ハリスが今回は立派な悪となっています。情けない役は違うよなーと思っていたので、ジュリアス・ハリスの本領発揮というか...中々面白かったです。また「カラー・パープル」のシャグでオスカーの助演女優にもノミネートされているマーガレット・エイブリーが新たなマドンナ的な役で登場してます。この当時は初々しいというか...演技が下手。でもフレッド・ウィリアムソンとの濃厚なラブシーンを見事に演じてました。前作に引き続き出たグロリア・ヘンドリーといい、マーガレット・エイブリーといい、今回は女性達の存在があっさり消えているのが寂しい。前はグロリア・ヘンドリーの存在が映画の中では大きかったのに。

あと、チャーリーズ・エンジェル(映画版)がリメイクしただろうオリジナルの場面もあるし、フレッド・ウィリアムソンのお得意となった空港の荷物受け取り場所のシーンもあるし、走るシーンもたっぷりある。何かいいところと悪い所が50/50なんですよね。

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(4点/5点満点中:DVDにて鑑賞)