Across 110th Street / 110番街交差点 (1972)
Cast >> Anthony Quinn (Capt. Mattelli), Yaphet Koto (Lt. Pope), Anthony Franciosa (Nick D'Salvio), Paul Benjamin (Jim Harris), Ed Bernard (Joe Logart), Antonio Fargas (Henry J. Jackson) ...
Director >> Barry Shear
Writer >> Luther Davis, Wally Ferris (novel)
Producer >> Anthony Quinn, Barry Shear ...
総合ポイント >> 5/5点満点
Contents >> 5 Performance >> 5 Direct >> 5 Music >> 5
Across 110th Street is a hell of a tester
ジム(ポール・ベンジャミン)とジョー(エド・バーナード)、ヘンリー(アントニオ・ファーガス)の3人は黒人ギャングとイタリアンマフィアがお金を数えている所に強盗に入り、30万ドルを手に入れる事を成功させた。その結果、ギャングとマフィアに追われ、ハーレム担当の刑事ポープ(ヤフェット・コットー)と人種差別的な白人のキャプテンのマテリ(アンソニー・クイン)が捜査に加わったが、2人の間にも衝突が生じ...
ボビー・ウーマックが歌うタイトルソング。「ジャッキー・ブラウン」や「アメリカン・ギャングスター」等でも使われた曲。この映画の為に作られたという当たり前の理由があるのも分かっているのだけど、他の映画で聞いた時よりも感動がある。この歌詞の一句一句が映画の全てを物語っているからだ。ジムとジョーとヘンリーの3人は悪者なのだけど、ジムが「42歳の学歴のない俺は掃除人になるか、ポーターになるか....」という心の叫びを聞くと、ついつい3人側になって考えている自分がいる。ボニーとクライドよろしく、なぜか犯罪を咎める事を忘れてしまう。しかも3人は元々悪人が悪いことをして稼いだお金を取ったのもある。逃げることも出来たのに戦う事を選んだラスト。そういう人物像の描き方が映画では丁寧に出来ている。3人に加え、警官の2人の衝突。また家族からプレッシャーを掛けられているイタリアンマフィアのニックという人物。警官の2人の人種と、ギャングとマフィアの人種が一致しているのも面白い。
それに加えてタイトルと台詞の繋がりが心を打つ。「黒人との距離を置いてくれるセントラルパーク」に「110番通りを越す」...これは、ハーレムとの境。黒人と白人の境でもあった。白人にしてみたら黒人との境目であり、黒人からすれば心から踏み込めない別世界であった。
これこそタイトルから結末まで完璧に作られたクライムストーリー。人物が見えるからこそ、理解が生まれる。ボビー・ウーマックが重い声で歌うタイトル曲とジムの心の声が、観客の中でクロスして、その彼等の思いは観客の心に深くしみこまれることになるだろう。
(12/28/07:DVDにて鑑賞)