Cast >> Sidney Poitier (Gordon Ralfe), Shelley Winters (Rose-Ann D'Arcy), Elizabeth Hartman (Selina D'Arcy), Wallace Ford (Ole Pa), Ivan Dixon (Mark Ralfe) ...
Director >> Guy Green
Writer >> Elizabeth Kata (novel), Guy Green
総合ポイント >> 5/5点満点
Contents >> 5 Performance >> 5 Direct >> 5 Music >> 5
A Patch of America
セリーナ(エリザベス・ハートマン)は、5歳の時に視力を失った。それ以来、祖父のアパートに暮らし、母のローズ・アン(シェリー・ウィンタース)にいい様に使われてきた。毎日、家事とビーズ作りに追われる毎日だったが、近所の公園に初めて行って以来、祖父に頼んで通うようになった。そんな時に、セリーナが1人困っている時に助けてくれたのが、ゴードン(シドニー・ポワチエ)だった。会話をしていくうちに、2人は友人になるが...
シドニー・ポワチエの自伝の1章のタイトルになっている程の、彼のお気に入りの作品である。その本の中でのこの作品に触れた時「この映画の公開は、(アラバマ州)セルマでの行進と同じ年」だそうだ。血の日曜日と言われたその行進は、黒人の人権を守る為に多くの血が流れた。行進に参加した黒人、そして白人も同じ血を流した。その激闘の時代に作られたのがこの映画。実は、見る前は生温い映画だと思っていた。お決まりのインターレイシャルカップルの物語だと。確かに粗筋は容易に見えてくるのだが、最後は心地よく裏切られる。最後の部分は、なぜにあのようなラストなのだ?やっぱり黒人と白人だからか?と思われるかもしれない。でも、主人公のゴードンはセリーナに惹かれた事は間違いないが、それ以上に彼女を自立させる事を願っている。それはゴードンという男を見ていると、終始その意思を貫いているのが分かるのだ。だからこそ...のラスト。自分のエゴの為に彼女を居させてはいけなかったのだ。人種を超えて、更には男と女を超えて、人と人とのラスト。人は目で状況が見えるゆえに心で感じる事を忘れる悲劇。ラストの「みんなは貴方の事を知らないのよ」というセリーナの台詞が、それを凝縮している。
確かに同じ時期には血を流していた。でもこういう大きなテーマの映画によって、アメリカは継ぎ接ぎだけれど一つになる理想の姿がここにはあったように思える。
(12/08/07:DVDにて鑑賞)