BETが放送していたHip Hop VS Americaをようやくこの前見た。
2部構成になっていてパネラーが入れ替わるのだけど、ラッパー(T.I.、ネリー、チャックD、マイク・ジョーンズ)等に加えて、大学の教授等の知識人(スタンリー・クラウチ、マイケル・ダイソン)等、そしてミュージックビデオに多数出演したメリッサ・フォード(ジム・ジョーンズの「Ballin'」のライムにも登場してますね)等が参加。
大まかな内容は、ヒップ・ホップのミュージックビデオの内容が女性蔑視ではないのか?という事。またそのイメージが黒人社会に大きな影響を与えているのではないか?という事を討論していた。
スタンリー・クラウチは言う
黒人コミュニティー外の人々は、そういう(ギャングや娼婦や低俗な)イメージを我々に求めているんだ。
T.I.は言う
俺が真面目なスーツ着てミュージックビデオを作ったとしても、BETはこう言うだろうね「これは一体なんだ?こんなの流せないよ」ってね。
本音と本音の語り合いで、最近のBETの番組にしてはとっても有意義な番組でした。
思うのですが、なんでこういうミュージックビデオの問題だと、ヒップホップだけの物になってしまうのでしょうか?最近では、普通のR&Bだってかなり低俗でヒップホップと全然変わらないのもあるのに。こういう時だけ、ヒップホップが攻撃されるのも、何だかなーと思います。いや、ロックだって低俗なミュージックビデオだってあるのに。いや、最近では日本のミュージックビデオだって大してアメリカの低俗なのとは変わらない。なぜに、黒人だけのイメージになってるのか?です。
確かに上の2人が述べたように、黒人に対してそういうイメージを求める人々って多いですよね。貧困に立ち向かう為に、銃を取って戦う事が「リアル」だと思っている外部がいる。
逆に黒人の若者等でも、暴力的に反抗するのが「リアル」だと思っている人たちもいる。
どんな国の人だろうが、人種だろうが、色んな人が居るですよ。それこそ「リアル」なんですよ。ステレオタイプな人も居れば、全然違うオリジナリティな人も居る、全然違う国で育ったのに自分と似たライフスタイルの人も居る、同じ国で育ったのに違う意見の人も居る。
ヒップホップもそうじゃないですかね?上のT.I.だって、色んな曲をやってます。確かに、尻振り女が出るビデオもあれば、フォレスト・ウィッテカーと共演し真面目なスーツで真面目な事を語っているビデオもある。ルークのようなスケベ専門なラッパーも居れば、社会派なチャックDやKRSワンみたいなラッパーも居る。
ヒップホップ全体が問題な訳じゃなくって、その個人が問題な訳ですよ。