いやー、ここ最近ビックリするニュースが多くて、目や耳を疑いたくなります。今日も朝からCNN見てビックリ。後でそのニュースについては書きます。2007年ですよね?1967年とかじゃないですよね??物やテクノロジーは進化しているけれど、人々の良心とか道徳心とかは、全然進化してないのかも??
セルマ大行進として知られているアラバマ州セルマからモントゴメリーに向う行進にまつわる物語です。キング牧師も幾度もセルマを訪れて行進の指揮をしました。その時にキング牧師が出会った2人の女の子が、シャイアン・ウエブとレイチェル・ウエスト。横の写真、見たことある人も多いでしょうか?その2人が書いた回想録があって、特にシャイアンに焦点を合わせて映画は作られています。
公民権運動を受けて、1965年セルマの町は牧師やSNCC(学生非暴力調整委員会)等が先頭になって、投票における差別を無くそうと考えていた。その活動中のSNCCのジミー・リー・ジャクソンがセルマに近い彼の故郷マリオンで母親と一緒にデモに参加し、母を守ろうとして兵士に銃で撃たれ、その8日後に死亡する。ちなみにマルコムXがハーレムで倒れた日の5日後の事。その彼の死をきっかけにセルマ大行進が行われる事が決定した。セルマ大行進は、全米にテレビ中継されました。そこで起きたのが「血の日曜日(Bloody Sunday)」と呼ばれる惨事。残念ながら、映画ではきっかけになったジミー・リーにあまり焦点は当てずに、ニュー・ハンプシャーから来た白人の牧師の勉強をしているジョナサン・ダニエルズに焦点が当てられ、彼とシャイアンの交流を描いてます。逆に言えば、彼もセルマでの活動の重要な人物だった訳で、彼は最後までキング牧師の言葉を守ろうとした人物でもある。彼のウィキの記事を見てびっくり。彼の生まれ故郷は、私が2ヶ月ほど滞在した町。とっても小さな町で、町はとっても保守的。あの町から公民権運動に命を捧げる人が出ていたのは驚きだ。私はこの町の家族と10年来お付き合いしたのだが、私が黒人と結婚したという知らせを境(黒人と結婚したと書いた訳じゃなく、写真を入れました)に連絡来なくなった位ですから... 10年の付き合いよりも肌の色の方が、彼等には重要だったのかもしれない。真面目なキリスト教徒な一家で、私にはとっても良くしてくれただけにショックでした。私の夫なんて、私よりも人間出来てるいい人なのに。
ちなみに、ジミー・リーを撃った兵士に対して、2007年5月9日に大陪審は起訴の手続きをし、その兵士は現在73歳ながらも、次の日には当局に自首した。
うーん、でもやっぱりこうしてキング牧師の非暴力の精神を目の当たりにすると、その活動がいかに辛いものだったか分かる。小さい女の子が先のバーミングガムで4人の女の子が亡くなった事件を思い出し、やっぱり怖いと思いながらも行進に参加してるのです。また、なぜに非暴力が効果的で素晴らしい物なのかも良く分かる。こんな世の中だからこそ、見たい映画なのかもしれない。ちなみにセルマ大行進の写真でも先頭を歩いているジョン・ルイス。トレンチコートにバックパックを背負っている姿が印象的なのですが(当時の写真)、彼はジョージア州にて政治家となり活躍中です。この前の「Jena 6」の際にも非暴力を訴えていた人物でもあり、まだまだ非暴力の精神が失われてない事を嬉しく思います。
Congressman John Lewis | Representing the 5th District of Georgia
日本語のウィキの方で血の日曜日の記事に、アメリア・ボイントン・ロビンソンが死亡したと書いてありますが、彼女は確かに行進中に殴られ重症を負いましたが、今96歳で健在であります。しかもこの映画での彼女の描かれ方がステレオタイプ化されているのに怒り訴訟を起こしております。
この映画を撮ったのが、チャールズ・バーネット。あまり知られてない名前かもしれないですが、とっても重要な人でもあります。UCLA修士課程の時に製作した「Killer of Sheep」という作品が、国立登録されております。曲の関係で中々メディア発売されず、滅多に見られない作品でもあります。私もここ10年位探してます。
こちらにも日本語で詳しく映画やセルマについて書かれてます。
感想はこちら。
(5点満点:DVDにて鑑賞)