MLK: The Assassination Tapes / 日本未公開 (2012) (TV) 1367本目
まだまだまだ続くよキング牧師おたく道。キング牧師の映画ある限り続くのよ。こちらのドキュメンタリーは、アメリカ最大の博物館にして、アメリカ最強の知能や知識が集まっていると言っても過言ではないスミソニアン博物館のチャンネルが制作したドキュメンタリー。なんかそれだけで高貴な感じはするわよね。
ベトナム戦争が激化。公民権運動で数々の法案を成立してきたキング牧師とジョンソン大統領も、ベトナム戦争については意見が食い違っていた。そんな中、テネシー州メンフィスで1968年2月1日、ごみ収集の2人が機械に挟まれて死亡した。前々からごみ収集車の危険性の改善を求めていたが、聞き入れてもらえず、そして事故により2人が亡くなった。その後も政府は改善する予定もなかった。メンフィス市長も頑なに改善を聞き入れなかった。労働者たちは、ボイコットする事になった。ごみ収集をする労働者の殆どが黒人。という訳で、街の緊張感も高まり、キング牧師が呼ばれた。
という事でキング牧師の最後の戦いとなったメンフィスでの戦いのドキュメンタリー。タイトルは「暗殺テープ」と、とても目を引くタイトル。キング牧師はケネディ大統領やロバート・ケネディのように公の場でパレード中とか演説中でカメラが回っていた場所で暗殺された訳じゃないので、「暗殺テープ」というものは存在していない。ケネディ大統領のようにザプルーダー・フィルム的なものは存在していないだ。暗殺後にキング牧師の側近が一斉に指を同じ方向に刺しているあの一番使われている写真くらいなものです。瞬間じゃないしテープでもない。という事で、広告審査のJAROさんに電話しようと思います!というか、キング牧師おたくなのでテープが無い事は見る前から分かってましたけどね。でもスミソニアンだし、瞬間は無くてもその直後くらいの映像はあると思うじゃないですかー。でもまあ感想でも書きましたが、キング牧師の暗殺テープが実在していたら...見たくはないですね。見れないと思う。怖くて。見たくない。
まあそれもそうなんですが、メンフィスに入ってから暗殺に至るまでを主に描いているんですよね。キング牧師が亡くなった後まもなく未亡人となったコレッタ夫人がハリー・ベラフォンテ等と共にメンフィスで行進している。メンフィスでは地元の活動家がストークリー・カーマイケルなどの側の若い人だったので、キング牧師生前でも暴動・略奪が起きてしまった。キング牧師が先頭に立つ行進では、今まで白人の暴漢たちに石を投げられたり爆竹投げられたりした事はあっても、黒人側が暴力に走る事はなかった。なにせキング牧師は非暴力の人だから。でもキング牧師暗殺後のメンフィスでの、コレッタ夫人とベラフォンテ参加の行進では暴力などもちろん起きなかった。それどころか、キング牧師に敬意を表してみんな無言で行進。あんなにしーーーーーんとした行進を見るのは始めて。鳥肌立ちましたね。行進中はシュプレヒコールか、大抵は歌を歌いながらですからね。
あと、病院で待っている時のキング牧師の右腕ラルフ・アバーナシーの顔が全てを物語っている表情でした。あんな表情見たことない。
(3.75点/5点満点中:6/2/15:DVDにて鑑賞)