I know it's unpleasant having no control.

多才すぎる男ジェイミー・フォックスが制作にも関わっているSFコメディ。フォックスも出演しているが、主演ではなく助演。主演は、『Attack the Block / アタック・ザ・ブロック (2011)』のジョン・ボイエガ。共演にスパイク・リー『Chi-Raq / シャイラク (2015) (VOD)』のテヨナ・パリス。『Space Jam: A New Legacy / スペース・プレイヤーズ (2021)』などで脚本を書いていたジュエル・テイラーが初監督。映画祭で公開後にNETFLIX配信。
グレンと呼ばれる町でドラッグディーラーをしているフォンティーヌ(ジョン・ボイエガ)。ポン引きのスリック・チャールズ(ジェイミー・フォックス)にお金の回収に行くと驚かれ「死んだはずなのに」と言われる。真相を知るであろう売春婦ヨーヨー(テヨナ・パリス)に話しを聞く。そうこうしている間に3人は陰謀の真相に迫っていくが...
主人公たちの衣装やら雰囲気からは70年代にブラックスプロイテーション、冒頭の内容からは90年代のフッド映画を感じる。その冒頭から内容を把握して理解するまでに時間を要するが、理解できるようになるととても面白くなっていく。謎の組織『Undercover Brother / アンダーカバー・ブラザー (2002)』のようでもあるし、逆『Drop Squad / ドロップ・スクワッド (1994)』的でもある。プロデュースまでしているのに主演ではないジェイミー・フォックスが良い刺激剤となっていて、コメディからシリアス展開と最高の俳優であることを証明している。
ラストも長いしテンポも悪いが、この映画は何かを伝えようと必死だ。洗脳に陰謀説が蔓延る今、もう笑うしかないだろう。
(4点/5点満点中)
They Cloned Tyrone / ゼイ・クローン・タイローン ~俺たちクローン?~ (2023)