It's to not spend the holidays on me own.
エディ・マーフィ最新作はファミリー向けクリスマス映画。エディとは『Boomerang / ブーメラン (1992)』以来31年ぶりとなるレジナルド・ハドリンが監督。エディの妻キャロル役には、TV『Black-ish / 日本未放送 (2014-Present)』にてエミー賞受賞のトレイシー・エリス・ロス。アマゾン・プライム配信。
ロサンゼルスのエル・セグンドの住宅街には、クリスマス時期になると軒先では派手なデコレーションや電飾で「キャンディ・ケイン・レーン」として知られており、コンテストで競い合っていた。そこに一軒家を構えるのがクリス・カーヴァー(エディ・マーフィ)。向かいのブルース(ケン・マリーノ)にいつも負けていた。そんな中、会社に出向くとレイオフされてしまう。今回のクリスマスデコレーションのコンテストは、ケーブルTV会社が入り、賞金$100.000ドル。レイオフされた分、コンテストで取り戻そうと躍起になるクリスだが...
完全なるクリスマス映画。歌あり、笑いあり、家族の絆あり、ほんわかあり、お人形さんあり... クリスマスをこれでもかと詰め込んだようなファミリー向けの作品。最近のエディ作品らしいといえばそうなのだが、確実に違うのが相手役である。妻役のトレイシー・エリス・ロスが、いつものエディ作品とは違う相手役なのである。今までのエディ作品の相手役は、みなエディのジョークに対して受け身なだけであった。ところがロスの場合は、エディのジョークをしっかりと受けて、さらに畳みかけてくるのである。今までのエディ作品では、箱入りワインのシーンやピックルボールについての会話や1人世界観に入り込んでしまった母など、ああいったシーンは観られなかったのである。過去にエディと対等にコメディをやりあえた女優は、『ブーメラン』のティーシャ・キャンベル=マーティンだったなと思い出す。敢えて名前は出さないけれど、出演者を見渡す限り、この作品にとって、やはり『ブーメラン』がとても鍵になっていると感じた。
クリスマスは1人で過ごすものではないのならば、映画もエディ1人が引っ張るのだけではなく、やはり掛け合いがあって、ポンポンと気持ちよく進むものだと感じた。
(3.75点/5点満点中)
Candy Cane Lane / キャンディ・ケイン・レーン (2023)