You got haters in your head trying to stop you from being great.
ウェズリー・スナイプスxウッディ・ハレルソンというゴールデンコンビによる『White Men Can't Jump / ハード・プレイ (1992)』のリメイク作品。今回は、大学時代に本格的にバスケットボールをプレーしていた若手シンクア・ウォールズと、ヒット曲「First Class」で知られるラッパーのジャック・ハーロウが組んだ。他にも同じくラッパーのヴィンス・ステイプルズ、歌手で現在は女優としても活躍するテヤナ・テイラーなどが出演。監督は、ヴィンス・ステイプルズやケンドリック・ラマーのミュージックビデオを担当していたCalmatic。脚本は『Girls Trip / ガールズ・トリップ (2017)』などのケニヤ・バリス。Hulu配信。
バスケットボールで活躍した伝説的プレイヤーであるベンジ・アレン（ランス・レディック）を父に持つカマール（シンクア・ウォールズ）も期待され、どの大学に進学するのか注目を集めていた... その10年後、カマールはピックアップ・バスケをしていた。そこに現れたのが、ジェリー（ジャック・ハーロウ）。デトックス・ジュースを売り歩いているその男は、カマールの打ち方に色々といちゃもんをつけてきた。頭に来たカマールは、ジェリーと一戦を交えるが...
リメイク作品がオリジナル作品を超えることは滅多にない。もちろんこの作品もオリジナルは超えていない。スナイプスとハレルソンの若い人にありがちな間違った方向のギラギラした野心が最高だったオリジナル。全然期待していなかったからか、思っていたよりはこのリメイクも面白かった。ジャック・ハーロウ自身にはそんなに詳しくないが、彼の魅力ありきで作られたというか、彼の魅力を最大限に生かした形で作られた感じがする。憎まれ口を叩きながらも憎めないキャラクター。ダサいしウザいけど憎めなくて、むしろそれが魅力的なアダム・サンドラーぽさがある。物語自体も、オリジナルとは全く異なり、今を取り入れた感じになっている。が、オリジナルでは、原題「白人はジャンプできない」を逆手にとって、ハレルソンの身体能力や演出もあって「白人もバスケが上手い」と見事にステレオタイプを打破した素晴らしい内容だったが、今回のはそこまでスッキリとタイトル回収していていない。「白人もバスケが上手い」までは、まあまあできているんだけど... 何かスッキリしない（笑）。ネタバレになるのでハッキリとは書けないが... オリジナルのような白人へのステレオタイプをスカッと打破するまでには至っていない。
（4点／5点満点中）
White Men Can't Jump / 日本未公開 (2023)
