九生を持つキャットの復活劇『カット・ウィリアムズのグレート・アメリカ』
Netflixは、デイヴ・シャペルをカムバックさせ、そしてキャット・ウィリアムス(私はキャット表記派で!!)もカムバックさせた!一時はこの人トップだったんですよ。『Friday After Next / 日本未公開 (2002)』で彗星のごとく現われ、その後にマイスペース(覚えてますかー!)ではずっとトップコメディアンだった人。『Katt Williams The Pimp Chronicles Pt. 1 / 日本未公開 (2006)』とか有名ですが、私は『Katt Williams Live / 日本未公開 (2006)』が一番好き。でも自身の問題やスキャンダルで落ち目に。でもこのネトフリスペシャルと映画『Father Figures』でカムバック。まあなんていうか、映画作品には恵まれないコメディアンの一人でもある。『Friday After Next』では最高だったのに!!そして誰も言わない時からキャットの才能を見出していた私の先見の明よぉおおお(誰も褒めてくれないから自分で褒めておく)。
今回はフロリダ州ジャクソンヴィルでのライブ。キャットお得意のご当地ネタをたっぷり聞かせ、地元の人々を喜ばせ盛り上げる。ご当地ネタは、沢山いるコメディアンの中でも恐らく一番上手い。褒めつつも、ちょっと茶化したりするもする。今回はかなりご当地ネタをたっぷりやっている。ライブをやる前に相当地元ネタを勉強した事が伺える。それのお陰でお客さんが「まさかキャットがそんな地元ネタを知っているとは!」とキャッキャして喜んでいるのが一目瞭然だ。そんな観客とキャットの雰囲気を撮るのが、スタンダップコメディライブの監督の一人者の一人レスリー・スモール。観客のリアクションを上手くカメラで捉えている。そして気になるのは汗。開始早々尋常じゃない汗の量。気の毒になる程だ。あ、最初登場する時には、ミーゴスの「Bad and Boujee」を出囃子に、ホワイトハウスの部屋ぽい所にモデル風の女性たちが何人も立っている。マイクも椅子も金!ゴールド!!ゴージャスな感じ。
ジャクソンヴィルの話から食べ物の話になり、そして老いの話に突入する。デイヴ・シャペルのこの前のネトフリスペシャルでも同じように老いについて話していた。デイヴもキャットも老いの話をするなんて!そりゃ、私も老けた訳ですわ。と、妙に感傷的にしてくれた。
そして2016年7月に車を運転中に警官に止められ、何も違反もせず車から何も見つかっていないのに殺されたフィランド・キャスティールの話に。早く自動運転車が実用されて欲しいと語る。このオチには笑ったし、その分( ゚д゚)ハッ!とさせられた。そして、オバマ前大統領の話を挟んで、トランプの話に。ご当地ネタと同じ位たっぷりと時間を取って語るキャット。「俺、この前のライブ『Conspiracy Theory(メディア化させていない)』の時に警告したよね?みんなトランプなんかどうせ大統領になれないって高をくくっていたけれど、アメリカはエキサイトが好きなんだって。あいつほどエキサイトな事を言うやつはいないって」... エル・チャポと掛けたトンネルの話は笑った。私は数日前に夫にそれと同じ話を真面目にしたけれど夫は上の空だったので、こんな表現方法があったか!これなら夫も聞いてくれただろうにと悔しい思いをした。CMのネタも面白かった。なんでみんなあのポパイ(フライドチキン店)のおばちゃん嫌いなの?って謎も解いてくれた。でも最後の下ネタはイマイチだった。誰でもやるような下ネタだったなーと。トレイシー・モーガンあたりがやってそうなネタ。キャットらしさを感じなかった。
最後以外はとてもキャットらしさがあって面白かった。私もキャットもデイヴも老けましたなー。老けたけれど、自分たちらしさを失わず、そしていい感じで悪い物には警告してきたい。キャットは何度でもスタンダップコメディと共に這い上がってくる。
Katt Williams: Great America / カット・ウィリアムズのグレート・アメリカ (2018) (VOD)(4.25点:1622本目)