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マイ・フェイバリット・シングスは至上の愛『Chasing Trane』

何かここぞという私にとっての大勝負的な時には、必ずジョン・コルトレーンの「至上の愛」か、スティーヴィー・ワンダーの「インナーヴィジョンズ」を聞くようにしている。私が持っているパワーよりもさらにパワーを与えてくれるような気にさせてくれるのがこの2枚のアルバムだ。「インナーヴィジョンズ」は負けてたまるか!と思う時に聞くアルバムで、「至上の愛」は森羅万象あらゆる万物からパワーやエネルギーを貰いたい時に聞いている。なので私の生活に欠かせないのが、この2枚の全く違ったアルバム。その「至上の愛」を私に与え分けてくれた私にとっての神ジョン・コルトレーンドキュメンタリー映画を!しかもあのデンゼル・ワシントン様がジョン・コルトレーンの声を担当。ナレーションともちょっと違うかな。ジョン・コルトレーンがインタビューやライナーノートで遺した言葉をデンゼル様がコルトレーンになりきって読んでくれております。という事で、私にとっての最強コンビによる作品!

ジョン・コルトレーンの「サターン」が響き渡る中、コルトレーンを知る人物はこう語る。「ジョン・コルトレーン、彼なら自分のスペースシップに乗って、彼が望む所どこにでも行けるのさ」。そしてある者はこう語る。「ベートーベンとかシェークスピアについて語るのと同じもんさ」と。ジャズ全盛期を駆け抜けたジョン・コルトレーンの出生から死に至るまで、他では見た事のない映像や写真と共に、コルトレーンと時を一緒に過ごした仲間や息子に元アメリカ大統領までもが彼の半生を語っていく。

とはいえ、何となくジャズは敷居が高いように感じる。と書いている私がそう感じていた。でもブルース・リー先生に「Don't think, feeeeeel...」って教えて貰って以来、人生とにもかくにも触れて感じてみる事にしている。その結果が、ジョン・コルトレーンの「至上の愛」だった。この映画を観て、なぜ私はこのアルバムにそのようなパワーを感じていたのか、よーく分かった。コルトレーンの柔軟性は素晴らしい。聖書だけでなく、コーランから仏教まで読み漁ったらしい。このドキュメンタリーから一番感じるのは、コルトレーンは常に悩みながら、そして苦しみながら、自分自身の次の答を音楽で表現する人。プリンスの『Purple Rain / プリンス/パープル・レイン (1984)』でも同じように感じた。私は元気の押し売りが嫌いで、人は誰でも悩んだり苦しんだりするのが当然だ。でもコルトレーンもプリンスもそんな苦悩を音楽で美しく描く事が出来る稀有な人たちだ。激しい苦悩を感じながらも、奏でる音のアンサンブルはとてつもなく美しく心に刺さる。だから2人は特別で天才。だなっていうのを今回は強く感じた。そしてそれは人々を熱くさせる。有名な学者コーネル・ウエストは、いつも以上に熱く、そして大きな身振り手振りでジョン・コルトレーンが黒人の人々に与えた影響、そして彼の音楽表現方を語る。ジョン・コルトレーンの「アラバマ」とキング牧師... 最高でした!そして長崎での渾身のライブ。非常に頭が下がります。電車でのフルート吹いていたエピソードが最高ですね。そういえばこの前同じような事が都内の電車内で起きて「迷惑だ」とかいう意見までありましたが、「コルトレーンだったら手を合わせて有り難く聞いて!」という感じですね。

それにしても凄い人の周りには高校時代から凄い人が集まる!っていうのを、この前の『The Art of Organized Noize / アート・オブ・オーガナイズド・ノイズ (2016)』のアトランタの高校でも思いましたが、今回のフィラデルフィアの高校も凄すぎる!コルトレーンとかベニー・ゴルソンとかジミー・ヒースがいる高校!凄すぎでしょ。

はあ、やっぱりデンゼル・ワシントンコルトレーンになった声を聴いてデンゼル様には若い頃にジョン・コルトレーンの自伝映画やっていて欲しかった!あのジョン・コルトレーンの聡明さ、ひたむきさ、美しさ、カリスマ性、そして漲るパワー、なのに感じる哀愁やセクシーさ、デンゼル様ならば全身で表現してくれた筈!ああああああデンゼル様の30代と40代勿体なーい!勿体なーーーーーーーーい!

Chasing Trane: The John Coltrane Documentary / コルトレーンを追いかけて (2016)(4.5点:1605本目)