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Hitsville: The Making of Motown / 日本未公開 (2019) (TV) 1731本目

大好きなモータウンの詰め合わせ『Hitsville: The Making of Motown

その人のことを知るための質問の中に「無人島に1枚だけアルバムを持っていくなら?」というのがある。1枚だけというのが超難問である。恐らく私は、R&Bと三代目J SOUL BROTHERS曲が200曲位入ったコンピレーションアルバムを持っていくと答えるであろう。そう、私は卑怯者。そんな質問を私に聞いてきた方が悪い!でも、10枚くらいに増やしてくれたら、多分正直に答える。スティーヴィー・ワンダーの「インナーヴィジョンズ」、マーヴィン・ゲイの「ホワッツ・ゴーイン・オン」というアルバムは絶対に入る。フォー・トップスの「リーチ・アウト・アイル・ビー・ゼア」とか、テンプテーションズの「パパ・ワズ・ア・ローリン・ストーン」などの曲も大好きである。そう私はれっきとしたモータウンっ子。ソウル好きになったのは、やっぱりモータウンがあったからだと思う。オーティス・レディングアル・グリーンジェームズ・ブラウンみたいな深いディープなソウルではないけれど、聞きやすく、でもちゃんとソウルを感じるのがモータウン。「インナーヴィジョンズ」とか「ホワッツ・ゴーイン・オン」みたいなアルバム全体の世界観って、すごく深慮されていて、黒人コミュニティに直結しているのを感じる。聞きやすいので、取っつき易くて、手に取れる。でもよーーーく聞いてみたら、「なんじゃこれぇえええ」と凄いのがモータウン。そんなモータウンの歴史を追うドキュメンタリー映画

ミシガン州デトロイトにあるモータウン本社「ヒッツヴィルUSA」で1960年代に行われた「クォリティ・コントロール」ミーティングの音声が聞こえてくる。モータウン創設者ベリー・ゴーディの若い声で「機会はある」と言っているのが聞こえる...

ベリー・ゴーディの幼少期から語られていて、どのようにして「モータウン」が設立していったのかなど、本人や関係者が語っていく。モータウンに関するドキュメンタリー映画は多く、所属バンドの追った『Standing in the Shadows of Motown / 永遠のモータウン (2002)』などもあるが、こちらはオーソドックスにモータウンを追っている。黒人新聞の売り子をしていたベリー・ゴーディ少年は、白人にも売ったら売れるかも?と思いついたのが天才。そこが原点ですね。でも、最初は白人地区に行った少年はベリー1人だったけれど... そのオチが最高でした。「モータウン」が出来て、スモーキー・ロビンソンが関わり...っていう序盤から、スモーキー・ロビンソンベリー・ゴーディが思い出を語り始め、もう最後までずっと2人で仲睦まじい姿を見せてくれました。一緒に歌い始めたり、思い出話が食い違うとどっちが正しいか100ドルで掛け始めたり、また一緒に歌ったり、スモーキーがピアノ弾いてベリーが歌ったり.... もうエンディングのクレジットロールまでずっとそんな調子です。もうそれ読んだだけで、ほのぼのしちゃうくらい楽し気な雰囲気でしょ?「モータウンは家族」と、ベリー・ゴーディが終始語っていたけれど、温かい雰囲気の家族です。それでも、やっぱり色々ある。悲しい別れや、辛い失敗など、そういうのも語っている。秘話としては、やっぱりスティーヴィーの「インナーヴィジョンズ」とマーヴィンの「ホワッツ・ゴーイン・オン」が面白い。そしてどちらもベリー・ゴーディが傷心なのが面白い。あと、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師の秘話には、鳥肌立った。しかし、これほどまでに名曲を生み出したモータウンの社歌がダサくて笑ってしまうが、ベリー・ゴーディ本人とスモーキー・ロビンソンが楽しそうなので、こちらも楽しくなってしまう。苦楽を共にしたからこその2人の今の笑顔に、私の心は熱くなった。

モータウンの歴史や背景や秘話や所属アーティストのことなどが、時代や背景に合わせたモータウンの曲とともに語られていく。やっぱりモータウンらしく甘酸っぱい印象だ。「何もないところから始まって、今では国際的な会社となった。モータウンこそ、アメリカン・ドリームを象徴する最高の見本」。私の好きなモータウンがまるでコンピレーションアルバムのように、ギュウギュウにこの作品にはつまっている。

(4.5点:1731本目)
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