Confirmation / 日本未公開 (2016) (TV) 1469本目
世紀のセクハラ問題と言われたアニタ・ヒルvsクラレンス・トーマスの全米を巻き込む大騒動となった物語をTV映画化。主演のアニタ・ヒルにはTVシリーズ『Scandal / スキャンダル 託された秘密 (2012-Present)』のケリー・ワシントン、トーマス役にはベテラン俳優で『Waiting to Exhale / ため息つかせて (1995)』等のウェンデル・ピアース。この問題はもう3作目。アーネスト・ディッカーソン監督のやはりTV映画『Strange Justice / 正義と真実 (1999) (TV)』や、アニタ・ヒルを追う割と最近制作されたドキュメンタリー『Anita: Speaking Truth to Power / 日本未公開 (2013)』がある。掘り下げればもっとあるかもだが、気が付くだけでこんなにある。それだけアメリカ人を引きつけた問題だ。しかしこれ、裁判ではないので、誰が勝ったとか負けたとかない。元々は、勇退する黒人初の最高裁判所の判事サーグッド・マーシャルの後釜にジョージ・H・W・ブッシュ大統領が任命する事になったが、その賛成票と反対票を民主党と共和党が争っていた事から始まる。共和党は自分たちの大統領を支持して賛成票を集めたい、民主党は何とか失脚させたい...という両者の争いがあった訳だ。民主党側がトーマスの身元を探ると、どうも女性たちの支持を受けていない、しかもセクシャルハラスメントの疑いがあり、その女性の名前が判明した。しかし問題の行為から10年も経っていた。女性は大学教授となり立派に暮らしていた。が、トーマスがサーグッド・マーシャルの跡を継ぐのに適切なのか?女性は立ち上がる事を決意する。その女性がアニタ・ヒルだった。『スキャンダル』の時にも書いたけれど、政治の世界は一番エロい。権力を好む物は好色大好き。女性もみんな俺のもの!的な考えがあるんでしょうね。でも告発までに10年掛かった事が足かせとなり、クラレンス・トーマスは僅差で指名される事になった。というのを演技の面も含めて割とオーソドックスに描いておりました。そして時代が時代だけに、今や副大統領となったジョー・バイデンが多めに描かれている(演じたグレッグ・キニアがそっくりで笑えるレベル)。そしてトーマスの妻が献身的な感じに描かれているけれど、あの人も相当だからね!アニタ・ヒルのドキュメンタリーでは、トーマスの妻がヒルに残した留守電が聞く事が出来るのだけど、最低な女性です。という訳で、今の所はアニタ・ヒルのドキュメンタリーが一番面白い。リック・ファムュイワ監督は流石に上手いな!新しいな!と思う所は沢山あったけれど、自分で脚本書いた方が絶対ーーーーに面白い。今回は脚本がイマイチでしたね。面白い脚本が書けるTVシリーズ『American Crime Story』で取り上げたら絶対に面白くなる筈!とは思ったのが正直な所。(3.75点)
Confirmation / アニタ 〜世紀のセクハラ事件〜 (2016)