ホームページに入れるかどうかさんざん迷ったけど、観てから速攻入れました。ブラックムービーじゃないけどね。でもだって最高なんだもん!サンダンス映画祭で大賞と観客賞の両方を受賞!っていうのは、『Precious: Based on the Novel Push by Sapphire / プレシャス (2009)』や『Fruitvale Station / フルートベール駅で (2013)』と同じですね。『プレシャス』や『フルートベール駅で』はサンダンスでの成功を皮切りに、プロモーションも成功して、オスカーでノミネートされたり受賞したりと成功させた。けど、これはちょっとプロモーション失敗しちゃっているよね。オスカーまでは難しそう。何より、せっかく劇場公開したのに興行成績で振るわなかったのは痛い(劇場公開館数が少ないという要因もあるが)。でも、作品は本当〜〜〜〜に面白い!!
タイトルのMeは、グレッグ(トーマス・マン)の事。夏が終わり、高校の最上級生となった日から物語が始まる。ちなみにグレッグが住んでいるのはペンシルバニア州ピッツバーグ。割りと大きな高校に通っている。所謂高校にあるヒエラルキーで重要となる、どこのグループに属するか?という事だが、グレッグはどこにも属していない。昼食を食べるのも、カフェテリアは怖いw。仲の良いというか、とてもヒップな歴史担当のマッカーシー先生の部屋で食べている。一緒に居るのは、タイトルにも名前が出ているアール(RJ・サイラー)。黒人学生。彼らは幼稚園の頃から知っているが、グレッグによれば「親友」っていう事ではなく、「共同経営者」という事だ。グレッグの家からは歩いていける距離だが、それでもグレッグにとっては「あちら側」に住んでいる。学校が始まって早々に、グレッグは母親から母の友人の娘レイチェル(オリヴィア・クック)が白血病になったと聞かされる。しかしレイチェルとは学校は同じだけど、友人という訳じゃない(そりゃそうだグレッグは友達いないんだもん)ので、正直グレッグにとってはどうでもいい事。しかし母親は励ましに行って来い!と、グレッグを追い出す(ここのやりとりが最高)。という訳で、レイチェルがタイトルのThe Dying Girl(死にかけの女の子)です。
と、普通の映画に思えるでしょ?どうせグレッグとレイチェルに友情が芽生えて、ひょっとしたら恋人にまで発展するのでは?って感じですよね。のんのん!そんな風に簡単にはいきません!というか、そういう映画の安易な感じを皮肉ってまでいます。けど、高校生がどういう風に死に直面していくのか?という事を、ちゃんと真面目に描いているのです。普通高校生は死の事なんて考えてもみないからね。なのでとても好感が高いんですね。でも、やっぱり高校生ぽい面倒臭さとか、彼らの突拍子もない面白さとかもちゃんと描いている。オーソドックスな高校生の青春映画なんだけど、それだけじゃない大人なドラマ要素もあったりする。そして高校生から見た大人の矛盾というか、厭らしさとかも、サラっと描いているのが素晴らしい所なんですよ!レイチェルのお母さんを演じたモリー・シャノンが最高っす!あとマッカーシー先生ね。なんだか物凄くカッコよく見えるんだけど、良く分からない大人なんだよね。私には掴みどころのない高校生がエイリアンに見える時があるけれど、彼らからしたら大人もエイリアンだったりするんだ!と思いましたね。グレッグの父親もスルメを子供たちに食べさせたりと、何だか得体の知れない人だった。そういえば、グレッグがお母さんに「ガミガミ界のレブロン・ジェームス!」っていうシーンがあった。ならば私は「ガミガミ界のマイケル・ジョーダンだな!」と、女の変な対抗心www。あくまでもMJが神ですからwww。
でも主役はタイトルの高校生3人。この3人がとにかく魅力的。しかもグレッグとアールは名作映画の超ゆるゆるなパロディ映画を作っている。まあそんな所も映画ファンの心をガッチリつかむ事になるでしょう!グレッグの部屋にね、色々と映画ポスターも張ってあるんだけど、『大人は判ってくれない』の英語版のポスターが張ってあった。あれ私も欲しい!!!
っていうか、やっぱりヒュー・ジャックマンっていい人!!
(4.75点/5点満点中:9/23/15:VODにて鑑賞)