Cast >> Abdelhakim Rachi (Yacine), Abdelilah Rachid (Hamid), Hamza Souidek (Nabil), Ahmed El Idrissi Amrani (Fouad), Badr Chakir (Khalil) ...
Director >> Nabil Ayouch
Writer >> Jamal Belmahi, Mahi Binebine (novel)
Producer >> Frantz Richard
Genre >> Drama
Country >> Morocco
総合ポイント 4.75点/5点満点中
内容 >> 5 演技 >> 5 演出 >> 5 音楽 >> 4
"Fly, Horses of God, and the gates of paradise will open for you"
モロッコのカサブランカのスラムに住むヤシンは、サッカーばかりしていた。将来はもちろんサッカー選手を夢見ていた。兄ハミッドはそんな弟を守るが、陰では麻薬などを売って、家にお金を入れていた。青年になったヤシン(アブデラキム・ラシッ)とハミッド(アブデリラー・ラシッド)は、相変わらずだった。しかしハミッドが麻薬関係で逮捕されてしまう。ハミッドのお金が入ってこなくなった家はどんどん貧しくなる一方。真面目にヤシンは働くも上手くはいかなかった。その頃にアメリカで911が起きる。宗教上の理由でアルカイダを支援しろ...という人たちが町にも出始める。兄も戻ってきた。兄はすっかり改心した様子だった。しかしどこかよそよそしい。兄は刑務所内でモスリムに目覚め、そのグループに入っていたのだった。とある事件をきっかけに、ヤシンやその友達もそのグループに出入りするようになり...
2003年の11月にカサブランカで起きた自爆テロを元に脚色され少し変更されて制作されたドラマである。スラム街で生まれ育った兄弟が、自爆テロ犯となるまでが10代の頃から壮大に描かれている。しかもモロッコで起きたモロッコ王の死などのニュースも取り入れていて、分かりやすい。そして彼らがグループにハマっていく過程も非常に分かりやすく描かれている。若い彼らは染まりやすい。自分たちの環境への憎しみがそうさせていく。兄弟を対立させた事も上手かった。引きずりこんだ兄ではなく真面目な弟のほうが深みにハマっていくのだ。
彼らが小さい頃から壮大に描いたからこそ、観客にはその切なさが伝わるのだ。無邪気にサッカーをしていた頃...あの頃に戻れたら...歴史や環境やタイミングは非常に残酷なものなのだ。
(2/25/15:ストリーミングにて鑑賞)