SOUL * BLACK MOVIE * ブラックムービー

ブラックムービー、ブラックスプロイテーションなどについて

Gun Hill / 日本未公開 (2014) (TV) 1252本目

一般には劇場公開もせず、しかも中々DVDにならない作品って最近でもまだまだ多い。最近、そういう作品を放送してくれているのがBET。そう。黒人向け娯楽TVチャンネル。と言っても、大手のヴァイアコムに売却されてからは、「セルアウト」だ!と言われておりますがね。でもやっぱり頼りになるのはBET。今年のBETアワードは外していたけれど!!(カンカン!!)でもこの映画が思っていた以上ーーーに良かったので、許す。簡単!それにしても、ラレンズ・テイトはなんでもっと人気も評価も高くならないんだろうか?っていうのもたっぷりと今回は書きたい!

という訳で、そのラレンズ・テイトが主役。彼はこの映画で一人二役を演じている。バードとトレーン。それはジャズのジャイアントであるチャーリー・パーカージョン・コルトレーンから取って名づけられた一卵性双生児(まあ一人二役なのでそっくりなのは当たり前!)。バードは12年の刑期を終え、ブロンクスの「ガン・ヒル」に戻ってきた。バーで落ち合うバードとトレーン。刑務所に居た時には誰も知らせてもくれなかったのが、子供の存在。トレーンは叔父としてそのバードの子供の面倒を見てきた事を告げる。バーを出た2人。帰り道でいきなり誰かに襲われる。銃弾を受けトレーンは亡くなった。その死体を隠滅し、バードはトレーンとして生きていく事を決める。そうすれば12年間知らなかった息子にも簡単に会えるからだ。トレーンが普段何をしているかも分からないバード。トレーンのアパートで大金を見つける。普通に生活しているうちに、バードが刑事でしかも麻薬の覆面捜査官である事が分かった。昔、悪かった時の知恵を働かせ、覆面捜査でもその才能を見せ付けていくが...

確かに最初は一人二役で、「へ?」って思ったけれど、どんどんとハマってしまう映画でしたね。バードとトレーンは全く正反対の道を進んだ双子。まともな道を進むトレーンに道を外すバード。そんなバードはどこかトレーンに嫉妬していた部分は大きい。彼等のお母さんが出てくるけど、病気。誰が誰だかわからない位にボケているけど、そのお母さんだけは分かるんだよね。って、ちょっとうぉーってなった。でもお母さんだけは分かっているっていうのが、バードにとっては大きな支えとなったんじゃないかな?みんなには全然バレていないから余計に。お母さんだけでもバードの存在は分かっているという意味で。そのお母さんを演じているのが、昔コメディアンヌとして活躍していたフィリス・イヴォンヌ・スティックニーだった!!びっくり。

しかもこの映画には「52ブロックス」という護身術・戦闘武術が出てきてドラマの要素にもなっている重要なもの。この52ブロックスは、刑務所で盛ん。だから、バードはこの技がとても上手い。12年も学んで来たからね。身を守る為につい出ちゃうのさ。でもトレーンは知らない筈という事で、仲間も「あれ?」ってなるけど、双子だから上手く切り抜ける。でもさ、この52ブロックスが思わず出た時のラレンズ・テイトの表情が最高なの!相手を挑発するように「もっとやれよ!」的な、「まだまだやれるぜ、お前なんかには負けない!」的なね。あの表情もあったから、仲間は「あれ?」ってなっちゃうの。実はこの映画放映後に、30分ほどのこの「52ブロックス」の特別番組もあって、それも見ちゃったんだけど、リュダクリスも習っているらしい。「ワイルドスピードの最新作7で見せるよ!」って張り切っていた。52ブロックスは奴隷時代にまで遡れるとも言っていた。実は、この52ブロックスはシカゴなどでは「ジェイルハウス・ロック」とも言われていて、長いこと刑務所では有名なものらしい。その特別番組では、ラレンズ・テイトの訓練風景も流されていて、凄かったー。俳優ってここまでやらされるんだ!って思った位。俳優って運動神経も要求されるんだ!と思わされました。よく耐えたよ、テイト。ガンガンに殴られるのをジッと耐えるの。

という訳で、そんな「52ブロックス」を君はウェズリー・スナイプスか!という位に軽々とやってみせるラレンズ・テイトが最高!『Menace II Society / メナース II ソサエティー/ポケットいっぱいの涙 (1993)』のアメリカの悪夢な危険な男オー・ドックもやれば、『Love Jones / ラブ・ジョーンズ (1997)』みたいな詩を詠む男も演じちゃうし、『Dead Presidents / ダーク・ストリート/仮面の下の憎しみ (1995)』みたいなベトナム帰りの切ない男も演じちゃうし、『Why Do Fools Fall in Love / ホワイ・ドゥ・フールズ・フォール・イン・ラブ (1998)』ではハリ・ベリーやヴィヴィカ・A・フォックスを手玉にとってフランキー・ライモンなんていう人気シンガーの自伝も演じちゃう!しかもどれをとっても素晴らしい映画で、黒人映画ではみんなカルト人気になっている映画ばかり!!正直、役の幅はデンゼル・ワシントンやウィル・スミスよりも遥かに広い!!けど、デンゼルとかウィルみたいな人気じゃないんだよねー。世の中狂ってるでしょ!まあ自分で先に書いちゃったけど、「カルト人気」だからでしょうね。黒人で彼の事を嫌いという人は居ないと思う。『ラブジョーンズ』とか『ホワイ・ドゥ...』が嫌いな男性でも、ぜっーーたいに「メナース...』のオードックとか好きな筈だし!

しかも終わり方が最高。いや、この終わり方逆に嫌いな人も居るかもだけど... えー、どっちー!!という終わり方。というか、これはTVシリーズとして続くかも???しれない???という事で、わざとそういう「続く」にしたぽい。あー、監督の事も書きたかったんだけど、長くなったのでここまで。監督はレジー・ロック・バイスウッド。彼の『Dancing in September / TVショウ/夢と野望の間で (2000) (TV)』も最高だった!!嫁さんが...キリが無いのでこの辺で!

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(4.75点/5点満点中:7/2/14:TV放映にて鑑賞)