The Comedians of Comedy: Live at The Troubadour (2007) & The Improv: 50 Years Behind the Brick Wall (2013) / 日本未公開 おまけ
アメリカのスタンダップコメディについての作品を2本続けて観たのでおまけ。おまけにしたのは、「The Comedians of Comedy: Live at The Troubadour」の方は全部観た訳ではなくて、気になる人を掻い摘んで観たので。
という訳で「The Comedians of Comedy: Live at The Troubadour」の方から。
見た理由は一つだけ!ごひいきにしているコメディアンのJasper Redd (ジャスパー・レッド)が出ているから!今彼は、NBCで放送中の「Last Comic Standing」という「アメリカン・アイドル」のスタンダップコメディ版に出演しております。まず、私が彼を知るきっかけになったのが、あの「デフ・コメディ・ジャム」。「デフ・コメディ・ジャム」については、ブラックムービー好きなら知っていると思うが、簡単に書くと、ラップ専門レーベル「デフ・ジャム」の創設者ラッセル・シモンズが90年代にHBOで始めたスタンダップコメディのライブ番組。司会はマーティン・ローレンスで、クリス・タッカーとかバーニー・マック等数多くのコメディアンを輩出し、ブラックカルチャーを語る上で欠かせない金字塔となった番組。それの2006年版に出ていたのがジャスパー・レッド。「デフ・コメディ・ジャム」と言えば、その畳み掛けるようなリズム感とこれでもか!という強烈なネタが有名だったけれど、彼はその中で独特なゆったりとしたリズムながらも強烈なネタを言っていたのが印象的で、すっかりファンになってしまいました。まだその頃はプレ・フェイスブック時代で、実名ではなくニックネームが主流だったマイスペース時代。そこで見つけたジャスパー本人に「面白かったですー」と軽くメッセージ送ったら、ちゃんと返事まで律儀にくれたのですっかり虜になりました(単純です!)。まあ彼のそんな人柄もある。しかもその頃はまだLAに住んでいたので、彼のライブを生で見れた事も私の空回りに拍車がかかった。で、そのライブを見に行ったら、私の隣で奥様と仲間のコメディアンとダブルデートしていたのが、パットン・オズワルド!ここでもその時にレポしてますので、どーぞ。で、そのレポの時に「来週から一緒にツアーする」って書いていたけど、そのツアーの模様がこのDVD。パットン・オズワルドが制作で彼が好きな仲間を集めて、LAのロックのライブで有名な「トルバドール」でスタンダップをやった映像。スタンダップライブは普通は椅子があるが、このライブに至っては立ち見でロックのライブ風。オズワルドが集めたのが、今や人気のザック・ガリフィアナキスにサラ・シルバーマンにデビット・クロスなどなどー!ザック・ガリフィアナキスは最初にザックとして立った後に、楽屋で髭や髪を切ってザックの双子のセスとして後にも舞台に立っていた。何ていうか彼らしい神経質なんだか無神経なんだか分からない二役で、独特な雰囲気でしたね。サラ・シルバーマンも仕込んでいた野次飛ばした男と最後は一緒に歌うという独特な世界観を繰り広げていた。この2人の舞台はDVDで見ちゃうと、正直つまらないんだけど、あの場に居たら空気のまれて何でも笑っちゃうんだろうなーとは思った。実際にお客さんはゲラゲラ笑っている。パットン・オズワルドは普通にスタンダップ。面白かった。さすが。今や「Agents of S.H.I.E.D.」に出てエージェントやっていたりするので、あの時にサイン位貰っておけばよかったと後悔している!多分俳優としてももっと伸びるよね、彼。そういえば、もう一つ好きなTVシリーズ「Brooklyn Nine-Nine」にも2回もゲスト出演していたし... という訳で肝心なジャスパー・レッドはやっぱり一番でした!パットンの紹介も「本当に面白くて期待している」と言っていたし... そして今出ている「Last Comic Standing」では、私がこよなく愛するウェイアンズ家族の兄貴キーネン・アイボリー・ウェイアンズが審査員の1人。キーネンもジェイミー・フォックスやジェニファー・ロペスなどを発掘してきましたが、そのキーネンもジャスパーの事を褒めていたのには昇天しそうだった。大好きな2人がドッキング。その時に黒人にとっては1992年が最高だったというネタをやって、審査員の1人に「1992年はLA暴動の年だから、黒人にとって良かったのか?どうか?」って言われて、ジャスパーは「どっち側(黒人側or白人側)についているかで違うんじゃない?」と上手く返した。その返しにキーネンは「上手い!」と絶賛。このDVDのジャスパーは地元テネシー州ネタにそのテネシーで結成されたクー・クラックス・クランのネタ。お客さんは白人ばかりで、黒人の観客も居ないし黒人コメディアンも彼だけという不利な中、お客さんも大笑い。
という事で、そのキーネン・アイボリー・ウェイアンズ、そしてデーモン・ウェイアンズにショーン・ウェイアンズにマーロン・ウェイアンズまで一緒にインタビューされていたのが「The Improv: 50 Years Behind the Brick Wall」。アメリカに数々の有名コメディクラブが存在しますが、全国区で展開し有名なのが「The Improv」。元々はニューヨーク。この元のニューヨークで撮影されたのが、リチャード・プライヤーの初期のスタンダップライブ「Richard Pryor: Live and Smokin' / 日本未公開 (1971)」。今は「The Improv」で知られていますが、当時は「The Improvisation Night Club」だった。そこの50周年を記念して作られたドキュメンタリー。60分程度と短い。ナレーションはアダム・サンドラー。ウェイアンズ家族以外にも、ジャド・アパトーにラッセル・ブランドにジェリー・サインフェルドにレイ・ロマーノにジミー・ファロンにジェイ・レノなどなどThe Improvが生んだ錚々たるスターが集結。「The Improv」はコメディアンたちにとってどういう場所なのかなどが語られていきます。もちろんそこでの秘話などもたっぷり!舞台袖で生で見ていた彼等の描写は、コメディアンらしく目に浮かぶような描写で語られていく。中でもキーネンとデーモンのアンディ・カウフマンの泣きながらネタやったという話は最高だった!しかもリチャード・プライヤーやエディ・マーフィにキーネンの若い頃の舞台の映像まで!!リチャード・プライヤーは今みたいにワイアレスのマイクなんてないから、脇にマイクを刺して、それでキャラクターになりきって話しているのが印象的でしたね。キャシー・グリフィンは、男のコメディアンたちはとにかくモテる!とぶっちゃけていた。そしてソフトボールチームまであったらしい!野球のチームを作りたがるのは、日本の芸人さんだけじゃないんだね!
The Comedians of Comedy: Live at The Troubadour (Video 2007) - IMDb
The Improv: 50 Years Behind the Brick Wall (2013) - IMDb
(5/27-28/14:DVDにて鑑賞)