Cast >> Jerry Mitchell, Bennie Thompson, Lawrence Guyot, William Winter, Ralph Eubanks, Bob Moses, Rick Bowers ...
Director >> Dawn Porter
Writer >> Rick Bowers (book)
Producer >> Dawn Porter, Risa Morimoto
Genre >> Documentary
Country >> USA
総合ポイント 4.5点/5点満点中
内容 >> 5 演技 >> N/A 演出 >> 5 音楽 >> 4
"Mississippi Way of Life"
1954年、公民権運動の弾みとなった「ブラウン対教育委員会裁判」。その2年後の1956年に深南部のミシシッピー州にて設立されたのが「ミシシッピー主権コミッション」。ミシシッピー州の主権を守る為という表向きだが、実際にはミシシッピーを公民権法から守る為の委員会だった。彼等は極秘で黒人スパイを使い、NAACPなどの活動を監視していたのだった...
アメリカの州で最低&貧乏ランキングみたいな物で、いつも上位になってしまうのがミシシッピー。しかし南北戦争前には、コットンの生産量で全米一、それこそ経済的にも豊かな州だった。それ故か、一時期ミシシッピーのマジョリティは黒人だったという。コットン畑での労働力のためだろう。そして時代は公民権運動時、ミシシッピーは過酷というのが一般常識だった。そんなミシシッピーでクライド・ケナードという青年がミシシッピーにある大学入学の申請をした。彼は朝鮮戦争に軍人として従事し、北部のシカゴ大学を卒業後に、故郷ミシシッピーの大学でマスターを取りたかったのだ。しかし、「ミシシッピー主権コミッション」によって、25ドルの鶏のえさを盗んだという濡れ衣で逮捕され、7年間も悪名高いミシシッピーの刑務所パーチマンに入れられた。そこで癌となり、死ぬ直後にようやく出所できたのだった。たった大学に申請しただけで... そしてしかも彼等は黒人スパイを雇う事を考える。普通黒人同士はそんな事はしないし、したがる人もいない。しかし彼等はいい所に目をつける。黒人の保守派で、NAACPを良く思わない人々もいた。彼等は積極的にNAACPの集会などに参加し、主権コミッションに情報を流していた。NAACP側も白人の人々には警戒していたが、まさか同じ黒人にスパイが居るとは思わなかったと、当時の活動家達も語っている。
短い時間ながら、核心に迫る重いドキュメンタリー。知らなかった事が、目の前に突きつけられた。とんでもない政治グループの真相を、メッキをぺりぺりと剥がしていくように明らかになっていく面白さがあった。
(2/27/14:TV放映したものをDVDに落として鑑賞)