見てきたよー。オリジナルとは違う所は多々ありますが、リメイクとしては上出来。オリジナルのいい所を上手くつまみ食いしていて、オリジナルへの敬意も忘れていない。何しろこの映画の主人公がオリジナルの映画を2人で見ながら、女向けの映画なのか、男向けの映画なのか、2人が口論しているのが面白い。ロブ・ロウが演じていたダニーをハリ・ベリーも惚れた超二枚目俳優マイケル・イーリーが、そしてデミ・ムーアが演じたデビー役をジョイ・ブライアント、ジム・ベルーシが演じたダニーの親友で同僚のうるさい奴バーニーをケビン・ハートが、エリザベス・パーキンスのデビーのルームメイトで親友のジョアン役はレジーナ・ホールが演じている。監督は「Hot Tub Time Machine / オフロでGO!!!!! タイムマシンはジェット式 (2010)」が最高に面白かったスティーブ・ピンク。脚本はウィル・フェレル界隈のレスリー・ヘッドランド。と、作り手は白人。でもプロデューサーは、ステマが上手いウィル・パッカー。
オリジナルはシカゴだけど、今回の舞台はLA。なのでレジーナ・ホール演じるジョアンが原作の戯曲のタイトル「Sexual Perversity in Chicago」に対して「Sexual Perversity in LAね」っていう台詞まで丁寧にある。オリジナルでは馴染みのバーで知り合うダニーとデビーだったけど、今回は既に知り合っていたバーニーとジョアンの紹介でオシャレなクラブで出会う。ジョアンとバーニーが酔っ払って手に負えなくなったので、2人を残してダニーとデビーはクラブを出る。少し会話した結果、2人は一夜を共にするが...
オープニングはいきなりジェームス・ブラウンの「Get Up (I Feel Like Being a) Sex Machine」が掛かり、滅茶苦茶テンションがあがる。そのオープニングもカッコいい。お楽しみのラブシーンも多い。オリジナルでは、ジム・ベルーシのバーニーは口ばかりだったけど、今回はケビン・ハートのバーニーとレジーナ・ホールのジョアンが最初から付き合っている設定なので、この2人のラブシーンも多い。ただ、ジョイ・ブライアントがもったいぶっていて、思い切りの良さを感じられなかった!都会的なセンスとか洗練されたデビーの雰囲気はあったけど、デビーの思い切りの良さと奔放さと大胆さを全く感じられなかったのが残念。私は、オリジナルのデビーとダニーが夜中に全裸で水だかミルクを飲むシーンが好きだった。外の月明かりとネオンの明かりだけでデビーの全裸が映し出されて、それを見てダニーが「綺麗だね」というシーン。あれは滅茶苦茶ワクワクしたシーン。それは、マイケル・イーリーが一人全裸のシーンに変更されている。マイケル・イーリーは分かっているので、脱ぎっぷりがよくロブ・ロウと同じレベル。頑張った!ただジョイ・ブライアントがかまととぶっているので、マメットが書いた「性倒錯」や「性的強情」や「性的つむじ曲がり」を感じられなかった。この映画はラブシーンが多い割には性的というより、恋愛に落ちていく様にワクワクする。犬とか使ってずるいレベル。
もう一つ気になったのが、説明の丁寧さね。最近の映画は丁寧すぎる!だから余計に観客の見る力が養われないのかも?この映画ではいちいち「感謝祭」とか「大晦日」とか字幕で出る。アメリカ人なら見ていれば、どのシーズンか分かるでしょ!あの字幕が現実の世界に引き戻してしまうのよね。
サントラには入っていないけれど、ブルーノ・マーズの曲が2曲も使われていて、それが本当にこの映画には合っている。彼の曲がこの映画とオリジナルの時代の恋愛事情の差をよく表していた。全部彼の曲でも良かったかも?と思うほど(オープニングのJBは除く)。でも最後はジョン・レジェンド。もちろん彼の曲もあっていたけど、やっぱり最後はブルーノの曲が良かったかも?と思わせる、ブルーノの曲のこの映画における存在感は凄まじかった。ブルーノのポップな軽さとバラードの切なさがオーバーラップする映画。
ところで、最近のアメリカの大雪のニュースでシカゴが映った時に、このオリジナルでも使われた公園でリポーターが立ってニュースを伝えていた。「嗚呼、ダニーとデビーのあの公園が!」という事で、この物語のもう一つの主役は「シカゴ」だったようにも思う。
と、ダメなところばかり書いてしまった感がありますが、面白かったよ!オリジナルは超えていないけど、面白い!
(4.5点/5点満点中:2/21/14:劇場にて鑑賞)