トゥパック・シャクールの遺作ね。(/ヘ ̄、)グスン
なのにさ、最低映画と言われている「Glitter / グリッター きらめきの向こうに (2001)」のヴォンディ・カーティス・ホールが監督じゃ、期待出来ないでしょ?的にお思いの方も多いでしょう。私もそう思ってた。カーティス・ホールは俳優としては渋くて良いのにねーと思ってた。間違ってたわ。というか、この映画が認められたから、「グリッター」なんていう映画を任された訳でありまして... というか「Waist Deep / ウエスト・ディープ/L.A.の狼 (2006)」も「Redemption: The Stan Tookie Williams Story / クリップス (2004) (TV)」も面白い映画だった!「グリッター」はたまたま駄目作品だったよね。でもそのイメージが消し去られていないのが不幸。
トゥパックのスプーン(この役名がぴったり過ぎるぜ!)とティム・ロスのストレッチとタンディ・ニュートンのクッキーの3人は当時最高に熱かったスポークン・ワードのミュージシャン。クッキーがボーカルでスプーンがベース、ストレッチがピアノ。でもまだ芽は出てなくて、クラブで演奏する位。しかも3人共にどっぷりとヘロインに溺れている。新年を迎える頃にクッキーがオーバードーズで意識不明。2人は慌てて病院に連れて行こうとするも、車のない彼等はタクシーを止める事も出来ない。その時にスプーンが911(日本の110番ね)に「白人女性が革命を訴えている若い黒人の連中に襲われている!」って嘘つくのが面白い。で、やっと病院に連れて行っても、救急は一杯で見てくれない。保険も入ってるかと分からない。入ってない方が確立が高い。スプーンと受付の女性が一発触発で揉めている所に、たまたま医者が来て見てもらった。こんな状況だったので、俺達もクスリ抜いて、真面目になるか?を新年の抱負にして、次の日から政府の麻薬更生施設に入ろうとするけど、これがまた厄介。色んな役所をたらいまわしにされる。まあ色々ありまして、警官と町のキングピンの両方に追われる羽目になってしまう。この前ちょうどヤフーのニュースになってましたが、彼等の状況が正にグリッドロック状態。身動きが取れなくて動かない状態。
トゥパックがこの映画でかなり良い感じ。活き活きしてる。この映画では、一生懸命に生き延びようと必死だから余計に切なくなる。「Juice / ジュース (1992)」とか「Poetic Justice / ポエティック・ジャスティス/愛するということ (1993)」みたいな、悪ぽい役は天下一品で、これも悪ぽいけど、またちょっと違うんだよねー。この映画では駄目なティム・ロスが演じたストレッチの面倒を見るお兄さん的な所もあるんだけど、ちょっとだけアホで可愛い。「刺して!」っていう所とか最高。トゥパックは周りの環境さえ良ければ、ジェイミー・フォックスと同じように良い感じで映画と音楽を両立してたんじゃないかって思う。作品にさえ恵まれれば、オスカーだって夢じゃなかった。とまで私は言い切る。トゥパックもいいけど、タンディ・ニュートンはこういう役やらせると本当に良いよねー。彼女の場合、こういう役をやらせても下品にならない。だから良いんだ!
(4.5点/5点満点中:Unknown:9/30/12:DVDにて鑑賞)