Cast >> Leon Likabu, Roger Landu, Coco Ngambali, Cubain Kabeya, Paulin Kiara-Maigi ...
Director >> Renaud Barret, Florent de La Tullaye
Writer >> Renaud Barret, Florent de La Tullaye
Producer >> Renaud Barret, Florent de La Tullaye, Yves Chanvillard, Nadim Cheikhrouha
Genre >> Documentary
Country >> Congo
総合ポイント >> 4.5/5点満点
Contents >> 5 Performance >> N/A Direct >> 4 Music >> 5
Music for life.
コンゴを愛した映像作家が出会った「スタッフ・ベンダ・ビリリ!」。彼等の大半はポリオによって車椅子生活を余儀なくされているか、貧しさ故にストリートで生活する子供達からなるストリートミュージシャンだった。
日本では既に見られなくなったポリオ。しかしアフリカや中東ではまだまだ数は少なくない。今に始まった事ではなく、あのアフリカ映画の父であるセネガルのオスマン・センベーヌの「Borom sarret / 日本未公開 (1966)」にも足を引きずる男性が出てくるし、ガーナの「Emmanuel's Gift / エマニュエルの贈り物 (2005)」も足に障害をもった男性が自転車でガーナ一周して、人々に勇気を与えた。この映画のコンゴの人々も、やはり予防接種を受けられずに、障害者として車椅子生活をしている。日本みたいに無料で予防接種も受けられないし、それで障害者となっても支援がある訳でもない。自分達で何とかしなくてはいけない。せっかくの障害者センターも火事になってしまえば、外に放り投げられる。しかし彼等は音楽を通じて、自分達を表現していく。音楽にすれば、彼等の主張に耳を傾けてくれるのだ。この映像作家は、途中でロジェという少年に出会い、ビリリに紹介する。彼はストリートで生活していた訳ではないが、やはり家庭に問題を抱えていた。そんな彼も手作りで楽器を作っていた。そのロジェが、ビリリのリーダーである「パパ・リッキー」が父親代わりとなって、このドキュメンタリーの中で著しく成長しているのが面白かった。最後には「俺がビリリを引き継ぐ」とまで言ってみせる。
このドキュメンタリーの面白さは、ビリリの奮闘だけでもない。生々しい子供達の会話や、動物園での振舞い等が、日本の子供達とは全く違う事も叩きつけられるのだ。そんな中、ビリリのメンバーは苦しみながらも、音楽で自分達をさらけ出し(ベンダ・ビリリ)していく。
(5/17/12:DVDにて鑑賞)