My Mic Sounds Nice: The Truth About Women in Hip Hop / 日本未公開 (2010) (TV) 754本目
BETで放送された60分のドキュメンタリー。女性のラッパーについて、彼女達自身や業界の人々が語っていく。割りと前々から大々的に告知されてましたね。なので私は2時間位のドキュメンタリーだと思ってたら、たったの60分。内容的にももうちょっと見たかったと思わせるボリュームでしたね。この映画の監督したのが、エヴァ・デュヴルネ。彼女自身もアンダーグラウンドな女性ラッパー。ロサンジェルスにて「Figure of Speech」というコンビを組んでました。ま、彼女についてはこの次755本目でタップリと!
ラップ界における女性はどうも昔から目の保養程度の扱いが主。女性ラッパー自体にしても、あんまりリスペクトされてなかったように思える。それでもラップが生まれた頃から、女性が少なからず活躍している。中でも一番有名なのが、ファンキー・フォー・プラス・ワンのシャ・ロック(Sha-Rock)ですね。彼女の存在は「ファンキー・フォー・プラス・ワン」にとっては大きかったと思う。「That's The Joint」はえらく可愛かった。その前にはレディBなんていう女性ラッパーも居た。そして、ロクサーヌ・シャンテ。ラップが好きなら、「ここはテストに出ますぞ」的な出来事。でもそれも一瞬の出来事。それ以降は80年代後半に入り、ソルトン・ペパやMCライトにクイーン・ラティファなんていう本格派が登場するけど、女性ラッパー達は何となくパッとしない時代が続く。90年代に入り、アイス・キューブの手助けでYo-Yo、デフ・ジャムではNikki Dとか登場するけれど、何となく消えていきましたね。あの頃ならモニー・ラブが可愛かった。そしてローリン・ヒル登場。リル・キムやフォクシー・ブラウンも続けて登場。さらには個性的なミッシー・エリオットも登場し、女性ラッパー黄金期を迎える。
私の場合どうも女性ラッパーはそんなに好きになれませんでした。上に書いたように女性ラッパーの冬の時代だったのもあるかもしれません。でも唯一好きだったのがMCライト。女性の魅力を排除してまでもラップ一筋に決めている姿が、無茶苦茶男前...いや女前か?とにかくカッコよかった。声も女性にしては太くてパンチがあるんだよね。うちの夫もMCライトを見る度に、「女性で唯一男性ラッパーとバトルしても勝てる女」と毎回言います(変な所が意見が一緒)。最近では、BETのアワードショーの名前を呼ぶアナウンスで有名。映画にも出ちゃってるし。まあでもいつになってもカッコイイ。ちなみにラー・ディガも好きだった。声が太い人が好き。レディ・オブ・レイジまでいってしまうと、もう「Next Friday / ネクスト friday (2000)」のキャラクターそのまんまのイメージで、和田アキ男みたいになってるし、詩も男だよね。その点でもMCライトはいいバランスだったと思うんですよね。
MCライトと言えば、これ↓。デーモン・ウェイアンズ爺の「Mo' Money / モー・マネー (1992)」に使われてましたね。エロく。私もチョコレート味が好きです。そしてデーモン爺さんから絵本を2ドルで買いたいと思います。意味が分かる人だけ分かればいいです。
90年代に入って、ローリン・ヒルが出てきた時には普通に好きでしたねー。フージーズのアルバム買ったもの。ミッシーの底抜け明るいミュージックビデオとかも楽しんだし、リル・キムも整形し過ぎる前は可愛いなって思ってましたよ。あんなエロいのリル・キムだけに許された事だったし。「ハード・コア」は好きだった。
誰かが言ってましたが「(ラップ界は)男社会」。その中で生き抜いていくには、女を捨ててマイク一本で硬派に戦っていくのは中々難しい。そうなってくると、やっぱりリル・キム以降、多くがそうだったように女性のセックスアピールで生き延びていく方が簡単。でもそうなるとどうも短命になってしまう。業界を活性化するには、またローリン・ヒルみたいな存在が必要ですよね。でも彼女みたいな存在は中々出てくるものじゃないんですよね。すぐに出てくる程簡単じゃない。でもローリン・ヒルも最近になってようやく活動を再開しているので、面白くなるのでは?他の女性ラッパー達の活躍も楽しみですねー。
残念なのがギャングスタ・ブーとかミアXが漏れていた事。南部はトリーナだけだった。と、言うかKRSワンと結婚していたミス・メロディとかJJ Fadとかそれこそ「モー・マネー」のサントラに参加していたKRUSHとかは何してるんだろう??
(4.25点/5点満点中:DVDにて鑑賞)