Cast >> Ben Carruthers (Ben), Lelia Goldoni (Lelia), Hugh Hurd (Hugh), Anthony Ray (Tony), Dennis Sallas (Dennis), Rupert Crosse (Rupert) ...
Director >> John Cassavetes
Writer >> John Cassavetes
Producer >> Maurice McEndree
Genre >> Drama
総合ポイント >> 4.25/5点満点
Contents >> 4 Performance >> 4 Direct >> 4 Music >> 5
Very Beatnik
ニューヨークに住む兄弟ヒュー(ヒュー・ハード)、ベン(ベン・カラザース)、レリア(レリア・ゴルドーニの3人。弟のベンと妹のレリアには白人の血が流れ、特にレリアはパッシング(白人で通す)が出来る程だった。そのレリアがパーティでトニーという白人男性と知り合い、一夜を共にした。無理にレリアのアパートに送っていったトニーは、そこでレリアに黒人の血が流れていることを知り...
ニューヨークのインディペンデント映画の誕生と言われたこの映画。ニューヨークで積極的に演劇のワークショップを開き、即興演劇を実験的にやっていたのが、この映画の監督のジョン・カサヴェテス。そのカサヴェテスが選んだ内容は当時の映画の流行でもあった悲劇のムラトー(混血児)の物語。3人のうちの2人をムラトーに設定させて、台詞もほぼ即興で演じさせている。それ故に長男のヒューが妹のレリアが白人男性のトニーを連れて来た時の反応がリアルで面白い。ただベンを演じた俳優もレリアを演じた女優も本物の混血という訳でなく、白人俳優が演じていたので、即興の台詞には説得力に欠ける部分が多々あり役と俳優が結ばれていないようにも感じた。またこれが黒人監督(当時はもちろん少ないが)なら何かしらの答えがラストに出ているように感じるが、カサヴェテスは敢えてそれをしておらず、そのまま時が何となく過ぎていくのも面白い。チャールズ・ミンガスの音楽も映画の雰囲気にピッタリとはまっている。
当時「ビートニク」とも呼ばれたニューヨークのアンダーグランドな世界と雰囲気が垣間見られる。当時はまだまだ排斥的であった黒人と白人との関係を即興で生々しく見せているジョン・カサヴェテスの生き方と男意気が実にクールに見えてくる作品。
(6/9/10:DVDにて鑑賞)