Cast >> Magaye Niang (Mory), Mareme Niang (Anta), Aminata Fall (Aunt Oumy), Ousseynou Diop (Charlie) ...
Director >> Djibril Diop Mambety
Writer >> Djibril Diop Mambety
Producer >> Djibril Diop Mambety
Genre >> Drama
Country >> Senegal
総合ポイント >> 5/5点満点
Contents >> 5 Performance >> 5 Direct >> 5 Music >> 5
Revolutionary image and everybody's story
セネガルのダカールにあるスラムに住んでいる青年のモリ(マガイェ・ニアン)は、牛の角をつけたバイクに乗り、恋人のアンタ(マレーナ・ニアン)と国を出てパリへ向かう夢を描く。その為にお金を手に入れようとするが...
セネガルのジブリル・ジオップ・マンベティ監督によるアフリカで初と言われている前衛的な作品。冒頭の食肉解体処理所の映像などは、ネオリアリズムを思わせる作品でありながら、全般的に主人公達の白昼夢をもとにファンタジーな世界が広がる、一筋縄ではいかない作品だ。ストーリーを重んじるアフリカ映画とは別の世界に属している。果敢なメッセージを詰め込んでいる訳でもないが、その前衛的な映像と音楽や効果音を駆使して、何ともいえない不思議なパワーを呼び起こす。美しい映像で広がるセネガルの大地と人々、それでいてまだ見ぬパリに心を奪われる若者の姿が、植民地だったという過去とその時代の文明革命が交差している。ファンタジーな世界がスクリーンを覆う時に、ジョセフィン・ベーカーが優しく歌うシャンソン「Paris, Paris」が効果的に使われる。しかもサビの部分だけを使うのが新しい。都会に憧れを抱き白昼夢に浸る部分や反社会的な部分は、国や人種を問わず共感出来る部分がある。「地球の楽園、パリ」に魅せられた青年も、やはり命あったものの形見である角を崇拝している所などは、やはりアフリカらしさを感じる。
アフリカの映像革命だ。貴方が持つアフリカへのイメージを一掃してしまうだろう。現実と空想が渦巻く映像の中で、セネガルの過去と未来も渦巻いている。これもまたアフリカ映画であり、万人のストーリーである。
(4/7/10:DVDにて鑑賞)